倉庫センサー、手術支援ロボット、生成AIなどに投資
佐藤:
第2期トランプ政権の発足や不安定な中東情勢、ドイツやフランスの政治的混乱など、世界情勢は先行き不透明です。そんな中でも投資機会を見つけ、中長期投資を続けていくためには、不確実な未来を予想するのではなく、より確かだと考えられるテーマに着目することが重要と考えます。
確度が高いテーマの1つとして、「人口動態」、すなわち「労働力不足」に着目した日興アセットマネジメントの株式ファンドを紹介します。ファンドの実質的な運用を担う、ラザード社の日本法人所属、運用部 ポートフォリオ・マネージャー/アナリストを務める岸田有央氏に、ロボティクス関連産業の動向と見通しをお聞きしましょう。
日興アセットマネジメント株式会社 資産運用アドバイザー部 アドバイザー佐藤 彩乃 氏
岸田:
資産運用に影響を及ぼす要素として、例えば「為替」が挙げられますが、為替の動きを予想するのはその道のプロでも簡単ではありません。一方で、不確実性が高まる環境下においても確かと言えるものがあります。図表①の左のグラフは、先進国における生産年齢人口(15~64歳)の推移です。国際連合の「World Population Prospects 2022」によると、2010年ごろをピークに、2050年にかけて先進国だけでも約1億人の働き手が減少すると予想されています。この人口動態の未来予測は最も外れにくいと言われており、「労働力不足」は世界的に長期にわたる課題になると予想されます。
図表①需要と供給の両面で追い風を受けるロボティクス
佐藤:
人手不足を解消する方法としては、移民の受け入れ、もしくは自動化が考えられます。
岸田:
そうですね。移民の受け入れは、米国や欧州でも採用されてきました。しかしながら、結果として米国でも欧州でも社会的な不安定を引き起こしている側面があります。一方、スマートフォンの普及に伴い部品価格が低下したように、自動化関連製品の部品価格は低下しているほか、テクノロジーの進歩によってあらゆる産業において自動化できる部分が増えています。労働力不足を解決する「自動化」を長期的な成長テーマと捉え、ロボットを含む自動化技術に投資するのが、ラザードの意図するところです。
ラザード・ジャパン・アセットマネージメント株式会社 運用部 ポートフォリオ・マネージャー/アナリスト岸田 有央 氏
佐藤:
「ロボティクスによる自動化」というと、具体的にどのような例が挙げられますか?
岸田:
近年、インターネット通販を利用する方が増えていると思いますが、物流倉庫内の作業はセンサーやロボットの導入で省人化が進んでいます。また、医療分野では、患者の負担を軽減しながら医師をサポートする手術支援ロボットが活躍し始めています。
近年、耳目を集める生成AI(人工知能)も、これまでは人の代わりは難しかった翻訳や文章執筆、企画書作成、作曲などの自動化を促進する「目に見えないロボット」の一つと言えるでしょう。今後、コールセンター、オフィス、研究所などで、生成AIを活用した自動化の進展が期待できます。
割安な銘柄を見極めるバリュエーション投資に強み
佐藤:
今後、中長期の時間軸で見通した際、特に注目のテーマは何でしょうか?
岸田:
「労働力不足」というコアのテーマは変わりませんが、人手不足を解決する技術とそれを提供する企業は移り変わっていきます。これからの大きな投資テーマとしては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)や、環境保護と経済成長の両立を目指すGX(グリーン・トランスフォーメーション)でしょう。具体的には、生成AIや工場・物流の自動化、医療の高度化技術のほか、それらの稼働に欠かせない電力インフラ、そしてデジタル上で現実に近いかたちでモニタリングやシミュレーションを行う「デジタルツイン」などに注目しています(図表②)。
図表②中長期の時間軸で捉えた注目テーマを設定
佐藤:
当ファンドの投資対象も、そのときどきの時代の構造変化を捉えて変化していますね。
岸田:
特定の領域のみに集中投資すると、事業環境が急変したときなどに大きな損失を被る恐れがあります。ラザードでは、安定したパフォーマンスを維持するべく、情報技術から、資本財・サービス(電力インフラや産業用ロボット、スマート物流など)、ヘルスケア(医療用ロボット・バイオテクノロジー)、一般消費財、コミュニケーション・サービスにいたるまで様々な領域に分散投資しています。
佐藤:
最後に、投資家に向けたメッセージを。
岸田:
どんなに良い銘柄でも、高値掴みでは利益を生むことは困難です。重要なのは、投資先企業の売上や利益が将来的にどの程度伸びるのかを予想し、それに対してどれぐらいの株価が適切かを見極めることです。私が肝に銘じている格言に、米国の著名投資家の「株式市場は、忍耐のない者から忍耐強い者へお金を移転する装置である」という言葉があります。
ラザードでは運用を行うに際し、個別銘柄に対して妥当と考えられる企業価値と現在の株価を比較し、株価が相対的に割安かどうかを適切に判断するよう努めています。労働力不足という骨太の長期成長テーマを捉えた上で、バリュエーションを意識した運用を着実に実行し、お客様の大切なご資産を増やしていければと思います。
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