2024年に日本銀行が利上げに踏み切ったことは、日本経済の大きな転換点となりました。2006年以来、約18年ぶりの利上げで、日本は長らく続いてきたゼロあるいはマイナス金利の時代から、ようやく「金利がつく世界」に転換することになったのです。本講演日時点で、長期金利の指標となる10年物日本国債の利回りも、1%を超える水準まで上昇しています。
そんな環境変化に真っ先に動いたのが、プロの投資家である機関投資家です。例えばゆうちょ銀行は、2019年から2023年の間に約58兆円から約38兆円まで減らしていた日本国債の保有残高を、2024年には約44兆円まで回復させています。同じように、多くの国内機関投資家が、低金利環境で離れていた国内債券への投資に回帰する動きを見せており、この潮流の変化は注目に値するでしょう。
実際に、国内債券と米国債券(為替ヘッジコスト控除後)の利回りを、2024年10月末時点で比較してみると、米国債券(同)よりも国内債券のほうが高い利回りであることが分かります。実は、額面上の利回りの高さは米国債券に軍配が上がるのですが、為替市場で米ドル高が進んでいる影響で為替の変動リスクをヘッジ(回避)するコストが高止まりしており、日本の投資家が米国債券に投資して手にできる利回りは、そのヘッジコストの分だけ減算されてしまうのです。
マニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社
取締役
債券運用本部長
津本 啓介氏
そこでプロの投資家たちは、金利が上昇し始めた国内債券に目線を戻しつつあるのですが、とりわけ高いパフォーマンスに熱視線が送られているのが、円建ての「ハイブリッド債券」です。聞きなれない名前かと思いますが、「株式」と「債券」の両方の特性を併せ持つ債券の一種です。具体的には、普通社債よりも高い価格変動リスクがある代わりに、一般的な社債よりも高い利回りで定期的なインカム収入が期待できることが特徴となっています。
図表①金利・利回り比較(2024年10月末時点)
投資家からすれば高い利回り水準が魅力的に映りますが、ハイブリッド債券を発行する企業側にとっても、株式で資金調達する時よりも調達のコストは低く、発行株式が増えることによる株式価値の希薄化を抑制できるというメリットもあります。ハイブリッド債券は、発行体、投資家、双方にとって魅力的な資産と言えます。
そのため、多くの日本企業が円建ハイブリッド債券を発行しており、その国内発行残高はJリート(不動産投資信託)市場を超える25兆円規模に成長しています。しかも、多くの場合、円建ハイブリッド債券の発行体は日本を代表する金融機関や有名企業です。そのため、一般的な債券と比べると比較的、信用リスクが低いとも言えます。
もちろんハイブリッド債券固有のリスクには気を付けなければいけません。例えば、ハイブリッド債券は多くの場合「劣後債」として発行されるので、普通社債と比べて法的弁済順位(図表②)は低くなります。また、発行体の業績が悪い時期などには、利息が繰り延べ(延期)られたり停止される可能性があります。さらに経営が悪化すると元本が削減されたり株式に転換されてしまうハイブリッド債券もあります。このためハイブリッド債券への投資においては、投資銘柄のリスク分析を入念に行うことが重要と言えます。ただし、個人投資家が自力でそうしたリサーチを行うのは不可能に近いでしょう。
図表②ハイブリッド債券とは
そこで、ハイブリッド債券投資で知見を深め、10年以上の経験を積み上げてきた我々マニュライフ・インベストメント・マネジメントが提供する、円ハイブリッド債券戦略をご活用いただければと考えています。当社ではポートフォリオマネージャーが私を含め7名、加えてクレジットアナリスト5名の計12名がおり、ハイブリッド債券運用において万全の体制を敷いています。一般的にハイブリッド債券は最低投資金額が数億円にのぼることが通常ですが、投資信託の形で個人投資家の皆様にも手軽にご投資いただけます。
図表③円建ハイブリッド債券の発行残高の推移(2015年~2023年、年次)
さて、円建ハイブリッド債券の今後の見通しはどうでしょうか。現在、機関投資家は、国内金利の水準を左右する日本国債利回りについて、少なくとも数年は現在の水準から大きく変わることはないと見込んでいます。加えて債券のデフォルト(債務不履行)リスクに応じて上乗せされる信用スプレッドも、2022年から始まった拡大局面が落ち着いてきて、今は横ばい局面に移行しています。発行体の業績などが悪化してデフォルト・リスクが高まると、この信用スプレッドは拡大し、債券価格の下落要因となりますが、信用スプレッドの拡大(債券価格の下落)圧力は生じづらい状況だと言えま す。ぜひこのタイミングに、「金利がつく世界」で輝く円建ハイブリッド債券にご注目ください。
この資料は投資判断の参考としてウエルスアドバイザーが情報提供しております。ウエルスアドバイザーのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はウエルスアドバイザー株式会社に帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。
広告企画・制作=ウエルスアドバイザー株式会社