株式講座 上級編
第13章 参加者の多寡で株価の天底の形は変わる
仕手人気の株を除くと株価の天井は一般的には鍋を裏返したような格好になることが多いのです。一方、底は亀裂が入ったような格好になるケースが多くなります。
これは、天井付近では注目が集まるため、その銘柄としては普通よりかなり多くの投資家が参加してきます。材料を評価し、ちょっと前の株価の動きを見ると、もっと上昇しそうにみえるのです。
しかし、その材料はたくさんの人が参加するほど、あるいは国際的会議などのイベントはスケジュール的に既に分かっていたことですから、知った人順に(好材料の場合)買っていると思って間違いありません。先に動いた人の利食い玉が出てくるので、買い方と押し合う格好で丸天井になるのです。
一方、底は○○ショック安などといわれるように、ドル円交換停止、2001年の米同時多発テロなどの突発事項、あるいは突然の地震、津波や火事、企業の業績の大幅減額修正、赤字転落などですから、スケジュール的に知っているわけが無いものです。狼狽売りに買い手控えで急落、周辺事情がわかってきて被害や損害の程度が絞り込めるようになると、下げた株価は千載一遇のチャンスとばかりに買いが急速に膨らんできます。そこで底の形はキレツ型になるのです。
しかし、参加者が少ない場合には、天底の形も違います。業績の万年悪などで株価も底這い状態が続きます。その底値を丁寧に(株価を大きく上げることなく、日数をかけて拾っていく=底値拾い)買っていきます。株価が上昇するような要素が少ないので、人気はありません。人気が無いので、十分に時間をかけ買っていけるのです。そして時期が来ると、あるいは何か好材料が出ると、買いが煽られ急速に人気化します。そして高値で先に買った筋が売り抜けると、もうまとまった買いをいれるところは無いのでこれが天井となり急落します。つまり天井が逆キレツ型、底が横ばいや鍋の底の格好になります。
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