投資信託への資金流出入速報(月一回更新)

純資金流入額は714億円、株式型の低調で前月比9割減−2023年11月推計資金流出入

2023-12-07

 ウエルスアドバイザーの独自推計によると、2023年11月の国内公募追加型株式投信(ETF除く)の純資金流出入額は714億円の純資金流入となった。6カ月連続の流入超過となったが、純資金流入額は前月の1兆1,807億円から94.0%減少した。全般的に落ち込みが見られる中でも、株式の不調が際立ち、国内株式型が流出超過に転じたほか、国際株式型でも純資金流入額が大幅に減少した。11月は米NYダウが前月比8.77%上昇して4カ月ぶりに急反発、日経平均株価も同8.52%上昇して5カ月ぶりに急反発した。久しぶりに世界的な株高となる一方で、景気の先行き懸念があることから、利益を確保する売りが優勢になったと見られる。

 大分類別で見ると、「国際株式型」が2,655億円の純資金流入となった。41カ月連続の流入超過かつ大分類別でトップとなったが、純資金流入額は前月の6,053億円から56.1%減少した。国際株式型をカテゴリー別に見ると、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」が1,208億円の純資金流入となり全カテゴリー中で流入超過額トップ、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」が663億円の純資金流入で同第3位となったが、純資金流入額は前月比で順に51.1%減、66.4%減と大幅に減少した。一方、787億円の純資金流入で同第2位となった「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」は前月比3.9%減と小幅な減少に留まった。

 個別ファンドでは、純資金流入額上位25ファンドのうち17ファンド(前月は16ファンド)が国際株式型となった。「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が725億円の純資金流入となり全ファンド中で流入超過額トップ、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が663億円の純資金流入で同第2位、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)が534億円の純資金流入で同第3位となったが、前月比では順に12.3%、23.0%、27.6%減少した。

図表1:大分類別の純資金流出入額

(図表)大分類別の純資金流出入額

※対象は、国内公募追加型株式投信(ETF除く)
2023年11月はウエルスアドバイザー推計値

「国内株式型」は1,000億円超の流出超過に

 大分類別で「国内株式型」が1,061億円の純資金流出となり、3,182億円の純資金流入となった前月から大幅な流出超過に転じた。国内株式型をカテゴリー別に見ると、「国内大型グロース」が1,769億円の純資金流出と前月の1,359億円の純資金流入から流出超過となり、流出超過額は全カテゴリー中で最大となった。同カテゴリー内では225連動型ファンドからの資金流出が目立った。「日経225ノーロードオープン」が542億円の純資金流出(前月は235億円の純資金流入)となり、個別全ファンド中で流出超過額が最大となるなど、225連動型ファンド全体で1,738億円の純資金流出(前月は約1,200億円の純資金流入)となった。225連動型ファンドの投資家には逆張りスタンスの傾向があるとされる。日経平均株価の上昇過程で利益確定売りが出たもようだ。

 国内株式型が流出超過に転じた中にあって、「日本好配当リバランスオープン」が154億円の純資金流入(前月も154億円の純資金流入)となり、純資金流入額は全個別ファンド中で前月の12位から9位に上昇、「日本好配当株投信」は131億円の純資金流入(前月は116億円の純資金流入)となり、前月の19位から11位に浮上した。

※資金流出入の詳細は以下のPDFをご覧ください

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