人生100年時代の到来とともに、健康寿命はもちろん、資産寿命を延ばすことへのニーズが高まっています。資産寿命の延伸のためには、投資・運用による値動きのリスクを一定程度受け入れることで、リターンを追求するという考え方がとても重要になってきます。新NISAによって投資家層のすそ野が広がっている現状をみると、私たち日本人の投資行動が大きな転換期を迎えたことを実感します。個人の金融リテラシーも高まっているといえるでしょう。
こうした環境下で保険会社である当社は、人生100年時代におけるさまざまなニーズに応える商品・サービスの提供を通じて、お客さまの人生のステージを支える存在でありたいと考えます。例えば、資産を「ふやす」という課題に保険で応える場合、保障を得ながら、資産形成に取り組むことができます。つまり人生に万一のことが起きた場合でも、保険ならではの「そなえる」機能によって資産形成を予定通り継続できるというわけです。
三井住友海上プライマリー生命保険株式会社
取締役 専務執行役員
高樋 毅氏
相続や生前贈与など、次世代のために資産を「おくる」「のこす」場合にも、保険の活用が効果的です。さらに「生命保険料控除」など、NISAとは異なる税制メリットがある点も保険ならではの特徴です。その意味で保険は、人生100年時代の到来とともに多様化するお客さま一人ひとりのお金のニーズにきめ細かく応えられる、有力な選択肢といえます。
当社は2002年10月に金融機関保険窓販専業の会社として開業しました。社名の「プライマリー(Primary)」には、「最初の、第一位の、主要な」といった意味があります。実際に業界に先駆けて生前贈与が簡単にできる保険商品の開発を行うなど、常にお客さまの安心と満足のために、最高品質の商品やサービスを提供することとを第一にしてきました。
その中で三井住友銀行をはじめ、SMBCグループは常にパートナーとして、当社と社会課題を共有し、その解決に向けた商品を数多く共同開発してきました。例えば、2016年には生前贈与をスムーズに実現する商品を共同開発し、販売しました。次世代への円滑な資産移転という課題を解決できる商品として社会に(お客さまに)受け入れられ、三井住友銀行以外にも全国の金融機関へと販路が拡大していきました。おかげさまで2024年6月26日には、累計販売額が3兆円を突破するなど当社の旗艦商品の一つに成長しました。
今回の「人生100年時代FORUM」で当社がお伝えしたいのは、「生命保険には多様な機能があり、人生のさまざまな場面でお役に立てる」ということです。保険の幅広い機能やメリットをご存じない方は、実はまだまだ多くいらっしゃいます。特にわが国は、人口減少社会に突入する一方で、相続や贈与など次世代にスムーズに資産を承継することに強いニーズをお持ちの高齢の方々が、今後とも増加していくことが予想されます。
生命保険であれば、自分に万一のことがあった場合に、指定した保険金受取人に保険金が支払われるので、お金に名前を付けてのこすことができるだけでなく、相続税の非課税枠を活用できます。円滑な資産移転だけでなく、相続税対策にも効果的であることから、相続対策を検討する際には、なくてはならないピースの一つといえます。また、先述したように煩雑な手続きを経ることなく生前贈与できる仕組みを持つ保険商品もあります。
遺産を受け取る相続人や、贈与を受ける受贈者の資産運用ニーズも、人生100年時代の進展とともに拡大していくでしょう。本FORUMを通じて資産の形成層・活用層・承継層の多様化するニーズを満たす保険商品があることをぜひ知ってほしいと思います。そして当社は、MS&ADグループが掲げる「リスクソリューションのプラットフォーマー」として、生命保険会社の立場で皆さまの人生に貢献できることを願っています。