2022年に勃発したロシアのウクライナ侵攻が、世界経済の大きなパラダイムシフトになりました。戦後のグローバリゼーションの中心には米国という超大国がありましたが、その体制が終わり、世界が分断へと向かう象徴となったのが、先のロシア・ウクライナ紛争だと考えています。
そうした世界情勢の影響もあって、日本では長期にわたったデフレが終わってインフレが始まり、いわゆる「金利がある世界」へと移り変わりました。デフレを経験している方の中には、2008年のリーマン・ショックのようにマーケットが大きく下落する局面で、怖くなって投資をやめてしまった方も多いと思います。デフレ時代には投資をせず、預金として持っておくことも有効な資産運用の手段でした。
しかし、インフレ時代においては、自らの資産を投資に振り向けなければ資産の成長を追求することはできません。そして何より大切なことは、マーケットが下落しても「Keep Invested」、つまり投資をやめないことです。
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
佐藤 秀樹氏
もちろん、人によって投資の目的は変わってきます。長期の資産形成が可能な20~30代の方と、投資できる期間が異なるシニア層では、目的に合った投資の方法は異なります。私たち資産運用会社は単に金融商品を提供するだけでなく、投資に関する情報を発信することも重要な使命だと考えています。従来の運用レポートや販売会社を通じた情報提供に加えて、近年では動画やSNSなどさまざまなチャネルを通じて、皆様の資産形成に資する情報を発信しています。
インベスコ・アセット・マネジメントは「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにする」をパーパス(存在意義)として掲げています。私たちが提供するのは、運用のパフォーマンスだけではありません。投資信託は買って終わりではなく、いつか必ず売るときが来ます。投資信託の運用を通じて得られる「体験」を、私たちは大切にしたいと考えています。
私たちが提供する投資信託は、運用チームが銘柄を選んで投資するアクティブ型です。代表的なファンドでは、世界の優れた企業に割安なタイミングで投資するという、相場によらず常に成り立つコンセプトに基づき、安定したパフォーマンスを目指します。
最近は、コストの安さが重視される傾向が強まっています。世界の株価指数に連動する低コストのインデックスファンドは、確かに資産運用の有効な手段の一つですが、選択肢はそれだけではありません。アクティブファンドは、インデックスファンドと比較すれば信託報酬は高いものの、それを上回るパフォーマンスを実現できれば、トータルではプラスになります。
8月は株式市場が大きく下落し、インデックスファンドの価格も指数とともに大きく下がりました。そんな状況でアクティブファンドはインデックスファンドと異なる値動きをするため、質を重視した銘柄選択や、割安なタイミングでの投資を行うファンドであれば、相対的に下落幅を抑えることが期待できます。
アクティブファンドでは、すべての銘柄選択に意志が込められています。ファンドマネージャーがどんなことに着目して銘柄を選んだかを知ることで、投資に対する理解が深まり、資産運用がより楽しい体験になると思います。
「人生100年時代FORUM」は私たちにとって重要な情報発信の場であり、個人投資家のお客様と直接対話できる貴重な機会でもあります。皆様のご意見やご感想が、販売用資料などを通じた情報発信の質を高めていくヒントになります。皆様とお会いできることを楽しみにしています。