株式で現金の目減りを補い、経済成長の恩恵を享受する
渡邊:
足元の日本ではインフレが進行しています。皆様の中にも、日々の暮らしの様々なシーンで物価高を実感している方も多いのではないでしょうか。物価上昇は目先の家計を圧迫するだけではありません。インフレでモノ・サービスの価格が上昇すると、お金の実質的な価値は相対的に低下します。例えばインフレ率2%が継続した場合、100万円を現金のまま置いておくと、20年後には67万円相当まで目減りしてしまいます(図表①)。インフレ下でも資産を守っていくためには、何かしら対策を講じる必要があります。
一般に、インフレへの耐性が強いと言われる資産の1つが「株式」です。物価が上昇すると、企業はコスト上昇分を商品・サービスの値上げなどにより利益を確保します。そして株価は、中長期的には主に企業の業績によって決まるため価格転嫁により業績が向上すれば株価にプラスに働くと期待できます。
日興アセットマネジメント株式会社 資産運用サポート部 アドバイザー渡邊 文 氏
また、図表②にあるように、米国株式の過去20年における平均年次リターンは約11.3%と、消費者物価指数の伸びを大きく上回っています。株式投資は価格変動リスクを伴うものの、長期的にみればインフレによる現金の目減りを補うだけでなく、経済成長の恩恵を受けられる可能性があります。
図表1:インフレ下での現金の実質的価値の推移
※上記はイメージであり、実際とは異なる場合があります。
図表2:米国株式の平均年次リターン (2003年~2022年)
※米国株式はS&P500指数(配当込み・米ドルベース)、米消費者物価指数は全項目、季節調整済データ、米国債券はブルームバーグ米国総合債券インデックス(米ドルベース)を使用。 ※ 上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ※信頼できると判断した情報に基づき作成
岸田:
ただし、全ての企業がインフレ下で十分な価格転嫁を実行し、業績が改善するとは限らないため、競争力のある商品・サービスを提供する企業を選別することが重要です。
渡邊:
私たち日興アセットマネジメントは、1959年に設立した日本で最も古い歴史を持つ運用会社の1つで、様々な運用商品を開発・提供しています。今回はその中から、世界各国のロボティクス関連企業に投資する株式ファンドを紹介したいと思います。まずは、ラザード・ジャパン・アセット・マネージメント 運用部 ポートフォリオ・マネージャー/アナリストの岸田有央氏にロボティクスに関する見解をお聞きしましょう。
ラザード・ジャパン・アセットマネージメント株式会社 運用部 ポートフォリオ・マネージャー/アナリスト岸田 有央 氏
岸田:
近年は各国で紛争が起こったり、ドル円相場が150円を突破したりと何が起きても不思議ではない世の中になりつつあります。こうした先行き不透明な環境下において、お金を増やすことは非常に難しい側面があります。
だからこそ心がけているのが、お客様の大切な資産を着実に増やすことを目指して、“より確かだと考えられるテーマ”に投資することです。産業用・サービス用のロボットを製造する企業だけでなく、ロボットに関連する技術であるAI(人工知能)や画像センサー、駆動技術なども含む「ロボティクス」は、世界各国の産業のイノベーションを根幹から支えていくと考えられることから注目しました。
成長が見込まれる背景は、少子高齢化や労働コストの増大などを背景としたロボット需要の拡大です。先進国では少子高齢化に伴って労働力不足が叫ばれており、国際連合の「World Population Prospects 2022」によると、生産年齢人口を指す15~64歳の人口は全世界でピーク時の2010年から40年間で約12%減少すると予想されています。
岸田:
さらに、新興国では賃金上昇に伴う労働コストの上昇や生産力増強の必要性から労働効率化が求められています。それらを補足する必要性がロボティクスの需要につながっているのです(図表③)。
さらに、テクノロジーの進化のほか、スマートフォンの普及などに伴い部品価格が低下しているなど供給面でも追い風が吹いています。AI技術は飛躍的に進歩しており、ロボティクスの活用が一層広がっていくと予想されます。
図表3:需要と供給の両面で追い風を受けるロボティクス
多くの産業でデジタル化の余地が残されている
岸田:
2018年には米中貿易摩擦が起きました。海外に移管・委託した業務の拠点を国内に戻す「リショアリング」、企業の本拠地の近隣を生産拠点とする「ニアショアリング」、同盟関係や友好関係にある国に生産拠点を置く「フレンドショアリング」などの言葉をニュースで聞いたことがある方もいるかもしれません。これまで主に中国がモノの製造拠点とされてきましたが、米中貿易摩擦をきっかけに中国から他の国に拠点を移す動きがみられます。新しく工場をつくるとなると、設備投資が必要になります。とりわけ、半導体や自動車などの領域でロボティクス関連の需要増となりつつあります。
渡邊:
世界的な生産年齢人口の減少に伴う「労働力不足」は、世の中の大きな流れをとらえた骨太で息の長いテーマです。それを捉えた上で、様々な社会の構造変化から生まれる“投資の種”となるようなテーマを捉えていけば、さらなる投資機会につながるでしょう。米中貿易摩擦のほかにも、新型コロナウイルス禍でオンライン需要が拡大したことが追い風になったソフトウェア・半導体関連のほか、工場・物流の自動化、生成AI、脱炭素なども今後の注目テーマと言えるでしょう。
岸田:
農業から鉱業・鉄鋼業、ヘルスケア、海運・陸運、公共事業、小売など多岐にわたる産業でデジタル化の余地が大きく残されています。例えば農業なら自動運転農機を使った省人化、公共事業ではドローンを使ったインフラ点検の自動化などが挙げられるでしょう。このように、あらゆる産業でロボティクスの広がりが長期的に期待できると考えます。
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