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■ 「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」はどう違うの? どっちがいいの?


 海外の株式や債券に投資する投資信託を買う場合、注意したいのが為替ヘッジの「あり」、「なし」です。「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」とは、どんな意味なのでしょうか?


「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」は、基準価額の値動きが為替相場の影響を受けているかどうかの違いです。これらには、次のような特徴があります。

  為替ヘッジなし 為替ヘッジあり
為替相場の影響 あり なし
為替差益 得られる 得られない
ヘッジコスト かからない かかる

 為替とは、それぞれの国の異なる通貨と交換する取引レートのことです。外国株式や外国債券などを投資対象とする投資信託は、米ドルやユーロなどの外国通貨を通じて投資を行っています。そのため、解約時に投資信託そのものの価値が変わらなくても、買ったときより円の価値が上がっている(もしくは外国通貨の価値が下がっている)、いわゆる円高の場合、損失が発生してしまいます。この損失を「為替差損」といいます。

 「なるべくなら為替による損失は避けたい」と誰もが考えるものです。このリスクを避ける行為が「為替ヘッジ」です。ただ、「為替ヘッジ」を行なうにはコストがかかります。この費用はみなさんが直接的に支払うものではありませんが、信託財産から引かれるため、基準価額にマイナスの影響を与えます。


一般的にヘッジコストは相手国との短期金利差(例えば、ドル円の場合、米国の短期金利と日本の短期金利の差)が反映されます。そのため、投資先が金利の高い国であればあるほど、為替ヘッジコストは高くなり、運用成績を下げる要因となります。

 さて、「為替ヘッジなし」のメリットはどこにあるのでしょうか?「為替ヘッジ」しないということは、為替の変動の影響を受けるということですが、悪いことばかりではありません。当然のことながら、為替は相場の変動によってプラスに作用することもあるからです。それが円の価値が外国通貨の価値よりも低い、つまり円安のときに得られる「為替差益」です。また、国内に投資した投資信託と値動きが異なるため、国内に投資した投資信託と組み合わせることでリスクの分散にも役立ちます。

 「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」は、どちらにもメリットとデメリットがあります。為替相場の影響を受けずに、外国株式や外国債券などの収益だけを求めたい人は「為替ヘッジあり」、為替相場の見通しに自信があり為替差益も収益に加えたい人や通貨の分散を行ないたい人は「為替ヘッジなし」に向いているといえます。

 また、少数ですが、為替で収益をとるために機動的に為替ヘッジをする投資信託もあります。この場合、収益を得る機会が多くなりますが、半面、為替のコントロールがうまくいかないと大きな損失になることもあります。為替予約など為替のコントロールがヘッジ目的なのか、収益獲得目的なのかは、投資信託説明書のファンドの概要で確認しておきましょう。