やさしい株式投資の話
第11章 相場の三要素に注意しよう
子供のころ、理科の時間に色の三要素とか光の三要素、社会の時間では企業の三要素など三要素という言い回しを習いました。驚く無かれ相場にも材料、地合い、需給の三要素があります。
株価を動かすものは、なんといっても材料です。その最大の材料は企業の業績であることは論を待ちません。一株利益が3割上昇し、PER(株価収益率)がそれまでと変わらなければ株価も3割上昇することになります。
企業が新しい事業に進出し、それによって今まで以上に将来性があると評価されたならば株価上昇要因になります。ただ業績に比べ、他の材料はいろいろな投資家によって必ずしも評価が一致しないのがふつうです。
またその材料が飛び出したときの相場の地合いも重要です。地合いは相場参加者が相対的に先行きが明るいと感じるか、暗いと感じるかをいいます。地合いがいいときに好材料が出現するとその銘柄は予想以上に好材を評価し、つれて株価も予想以上に上昇することが多いのです。逆に軟弱な地合いのときに好材が出ても反応が鈍いということになります。
もうひとつ忘れてはならないのが、売り買いの力関係を示す需給です。ここでは主として独立した単一の意思を持つ大量の資金の動向を指します。この実需の買いや売りはそれだけでも強力なうえ、ほかの投資家を巻き込んでより強力な上げや下げを実行する力になります。