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iDeCo1月の新規加入者3.9万人で12カ月連続前年同期比割れ、第1号と第3号の加入者が増大

2024/03/01 19:03

 国民年金基金連合会が3月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年1月の新規加入者数は3万9467人で加入者総数は320万7151人になった。1月の新規加入者数は前年同月比で12.8%減となった。新規加入者数は、2023年2月から12カ月連続で前年同月比割れになっている。ただ、第1号加入者が前年同月比で41.3%増、第3号加入者も同17.3%増と前年同月を上回った。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は7059事業所、対象従業員数は4万5063人になった。

 1月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は5600人(前月4484人)、第2号加入者は3万1627人(前月2万8717人)、第3号加入者は1972人(前月1554人)となった。第1号加入者数が5000人を上回るのは2022年9月(5215人)以来、16カ月ぶりのこと。第2号加入者の中で、企業年金なしの新規加入者が1万8121人(前月1万6711人)。「企業年金あり」が7177人(前月6320人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は6329人(前月5686人)となった。

 iDeCoの新規加入者数の減少が続いているが、第1号加入者が前月に続き、2カ月連続で前年同月比でプラスになり、1月は第3号加入者も前年同月比でプラスに転じるなど、徐々に加入者増に復調の兆しがある。2024年1月には、「NISA(少額投資非課税制度」が大幅に拡充され、非課税枠が1人あたり1800万円と大型化し、非課税期間が無期限となった。この制度改定によって、新NISAの活用に弾みがついたようだが、iDeCoはNISAに並ぶ非課税の資産運用口座として注目されている。

 現在、社会保障審議会企業年金・個人年金部会において制度改定についての議論が進んでいる。iDeCoは、そもそも企業型DC(確定拠出年金)を補完する制度(企業型DCの加入者が退職後に転職先にDC制度がない場合の運用の継続を可能とする制度)として創設されたことから、公的年金を補完する企業型年金制度(DCとDB)、その企業型DCを補完するiDeCoという立ち位置となり、他の税制優遇制度との公平性を維持するためなどといった理由で複雑な制度設計を余儀なくされてきた。単純に「60歳まで原則引き出せない、年金生活で使う資金を意図した税制優遇口座」として制度設計ができれば、もっとアピールできる制度になるのだろうが、今のところは、依然として加入する公的年金や企業年金の制度によって積立限度額等が異なるような複雑な形をしている。

 制度改定は、よりシンプルで分かりやすく、加入手続きの簡素化など使いやすい制度になるような改定案が議論されている。新NISAによる資産運用への関心の高まりが、iDeCoの関心を高める追い風になっていることは間違いない。2024年1月時点で加入者総数が320万人を超えたiDeCoの加入者の状況について、引き続き注目していきたい。(グラフは、iDeCo新規加入者数の推移)