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投資未経験者8000万人に投資体験を! 国民の資産形成を促す総合的な方針案

2024/02/19 18:06

 第52回金融審議会総会・第40回金融分科会合同会合が2月19日に開催され、これまでの金融審議会での議論のまとめにあたる「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(案)」が示された。基本的な方針は、「NISAの抜本的拡充やiDeCo制度の改革、中立的なアドバイザー制度の創設や金融経済教育の充実を政策的に進める一方で、これまで投資未経験の方(約8000万人)に、資産形成に一歩踏み出してもらうための働きかけを行う」というもの。「将来的には誰一人取り残さず、定期的に金融経済教育を受けられる機会を提供することが重要である」と謳われ、各自治体も含めた日本全国で国が主導する「金融教育」が活発に展開されることになる。

 19日の金融審議会の合同会合では、「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」と「市場制度ワーキンググループ」・「資産運用に関するタスクフォース」の報告書が提出された。「国民の安定的な資産形成は、個々人の幸福や厚生を実現するために不可欠。その支援は、『成長と分配の好循環』や、公正で持続可能な社会の実現にも資する」という考え方に基づいて、インベスメント・チェーンの各主体が十分にその機能を発揮できる環境を整備し、地方公共団体や民間企業と連携し、国全体として総合的に取り組みを進める必要があるとし、これまでの金融審議会の各部門での議論を踏まえて、施策の総合的な推進を図っていく。

 国民の安定的な資産形成の支援に関する施策では、NISA(少額投資非課税制度)が2023年12月末現在で2136万口座、35.4兆円の投資が行われているところを、2027年末にNISA口座数で3400万口座、買い付け額を56兆円に拡大することをめざす。

 そして、顧客の最善の利益に資する商品組成・販売・管理等を行う体制を構築するため金融機関には「顧客本位の業運運営の確保」を求め、その状況をモニタリングしていく。また、資産運用業の改革を進めて多様で質の高い商品が提供できる環境を整備する。そして、年金基金等のアセットオーナーについては、運用・ガバナンス・リスク管理に関する共通の原則(アセットオーナー・プリンシプル)を策定し、改革を推進するなど、「資産運用立国実現プラン」を強力に推し進める。

 さらに、金融教育や広報について国や地方自治体、民間金融機関などとの幅広い連携のもとで、「まずは令和10年(2028年)年度末を目途に『金融経済教育を受けたと認識している人の割合』が米国並みの20%となることを目指す」。「金融リテラシー・マップ」を参考に、学校教育等の場に教材を提供し講師等を派遣するなどで金融情報を伝えるほか、職場での情報提供等を強化するなど、様々な機会をとらえて教育と広報に努める。また、消費者と金融機関をつなぐ役割が期待される「認定アドバイザー」の育成や支援にも取り組む。「商品提供を伴わないアドバイスだけの業務ではアドバイザーとして生計を維持できない」という声があることを踏まえて、認定アドバイザーとの相談で使えるクーポン券を発行するなどしてサービスの利用を促す考えだ。(イメージ写真提供:123RF)