投資信託講座
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■ 定例レポートってなに?――月報・週報
みなさんの持っている投資信託が「今」どうなっているのか、「今」どのように運用されているのかが知りたい場合、どこで調べたらいいのでしょうか?投資信託を持っていると、決算期ごとに「運用報告書」が送られてきますが、それではタイミングがなかなか合いません。投資信託が「今」どうなっているのか知るためには、月報や週報などの定例レポートを積極的に利用したほうが良いでしょう。
定例レポートを読む際は、特に次の3点を押さえておきましょう。
1. 投資信託の運用実績と分配実績
2. 組み入れられている資産の種類とその割合
3. 運用実績や市場動向に対する、運用担当者のコメント
もっとも定例レポートは、運用会社共有のフォーマットがあるわけではありませんので、上記項目(2と3)が必ず書かれているわけではありません。
1.投資信託の運用実績と分配実績
みなさんが買った投資信託が、これまでどのような値動きをし、どれだけの分配金が支払われたかなどを示す投資家にとって最も気になるデータです。 主に次の内容について書かれています。
最新の基準価額と、前回からの増減
投資信託の値段を示す「基準価額」と、前回から増減した額を記載しています。
純資産額
投資信託全体の金額。いわゆる投資信託の規模です。基準価額×投資信託全体の口数(受益権の総口数)で表されます。
基準価額の推移(グラフ)
基準価額の動きを折れ線グラフで表示しています。過去3年以上(設定3年未満の投資信託は設定以来)の期間について書かれています。また、ベンチマークのある投資信託はベンチマークも同時に記載することになっているため、市場平均に対して「勝ったか」「負けたか」を判断する材料になります。
分配金の実績
過去に分配金がいつ、いくら支払われたかがわかります。
騰落率の推移
一定期間における値動きを、基準価額に分配金を加えた値で算出しています(計算方法は運用会社によって異なるため、注釈などを確認しましょう)。
2.組み入れられている資産の種類とその割合
投資信託の種類によって内容は異なりますが、最新の資産組入状況を知ることができます。主な項目をあげてみましょう。
株式投資信託の場合は- (1)業種別組入比率(「金融」「素材」「エネルギー」など)
- (2)株式の上位組入銘柄の銘柄名と組入比率、銘柄数
分散されているか、すでに持っている株式や投資信託と重複銘柄はないかをチェックしましょう。
債券投資信託の場合は
- (1)債券の種類(国債、事業債など)
- (2)債券の格付け(投資適格格付、投機的格付など)
- (3)デュレーション
債券の種類や格付で、リスクが高いかどうかを判断しましょう。高格付の国債で運用されていれば、リスクは低く、低格付の債券で運用されていればリスクは高まります。また、デュレーションは大きければ大きいほど金利の影響を受けやすいといえます。
●デュレーションとは
デュレーションは金利の動きにどのくらい敏感かを示した数値です。数値が大きいほど、金利の影響を受けやすいことを表します。
一般的に、金利が上がれば債券の価格は下がります。金利がこれから上がりそうな場合、デュレーションは小さいほうが値下がりは抑えられます。
外国の証券に投資する投資信託の場合は
- (1)投資する国や地域別配分
- (2)投資する資産の通貨別配分
分散されているか、これから買うのであればすでに持っている投資信託と組み合わせて地域や通貨が偏らないかをチェックしましょう。
バランス型ファンドの場合は
- ・資産別配分
想定した比率となっているかどうかを確認しましょう。
3.運用担当者のコメント
最近では、月報や週報にファンドマネジャーのコメントが掲載されていることが多くなりました。みなさんが買った投資信託が、どのような市場環境のもとで運用されているか?運用担当者はどのような考えで運用しているか?今後の市場の見通しは?など、今後の投資戦略を考えるうえで、たいへん重要な情報がたくさん詰まっています。みなさんの資産運用を任せておけるかどうかの判断材料となりますので、必ずチェックしておきましょう。