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ファンドニュース

「SBI・i シェアーズ・インド株式インデックスF」はインド株インデックスファンドの最速で残高500億円突破

2024/04/23 17:15

 SBIアセットマネジメントが設定・運用する「SBI・i シェアーズ・インド株式インデックス・ファンド(愛称:サクっとインド株式)」は4月22日、設定(2023年9月22日)から142営業日で純資産総額が500億円を突破した。インド株式のインデックスファンドとしては最速で純資産総額が500億円を上回ったことになる。同ファンドは、当初設定時の金額は50.7億円と、2023年中に設定された株式対象の公募インデックスファンドの中で最大の設定額となり、その後も順調な資金流入が続いている。販売会社はSBI証券。

 同ファンドは、世界最大の運用会社であるブラックロック・グループが運用する「i シェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディア ETF」への投資を通じて、インドの代表的な株価指数「S&P BSE SENSEXインデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果を目指すインデックスファンドだ。「BSE SENSEX」は、アジア最古の取引所で世界最多の上場銘柄数を誇るBSE(ボンベイ証券取引所)の代表的な30銘柄で構成されるインド株式市場を代表する指数の1つ。同様にインド株式を代表するインド国立証券取引所の指数である「Nifty50(構成銘柄50)」と比べて時価総額が大きく、流動性の高い銘柄に比重をおき、金融、ITなど大型成長株の比率が高いことが特徴。現在、インド株式のインデックスファンドは公募投信で7本あるが、「BSE SENSEX」に連動することをめざすファンドは同ファンドのみになっている。

 本ファンドの、実質的な運用管理報酬は0.4638%程度(税込)と、公募ファンドの中でインド株インデックスファンドの平均0.4915%を下回り、インド株を対象としたアクティブファンドの平均1.8848%と比較すると4分の1以下の水準になっている。大きな経済成長が期待されるインドだが、新興国として現地企業の調査等には先進国市場にはないリスク(地政学的なリスクやガバナンスに関するリスク等)がある。一般的に新興国の株式に投資するファンドには年1.5%を超える運用管理報酬が課されるものが多い。インデックスファンドとして主要企業に投資するファンドに年0.5%を下回る水準の手数料で投資できることで、近年、インド株インデックスファンドの人気が上昇している。特に、新NISAがスタートした2024年1月以降の残高増は著しい。

 インド株インデックスファンドの中では、同ファンドに先行して2023年3月に設定された「iFreeNEXT インド株インデックス」が既に純資産残高が約1152億円と1000億円の大台を超えているが、このファンドが500億円の水準を突破したのは設定から183営業日目のことだった。「SBI・i シェアーズ・インド株式インデックスF」は、41営業日も短い期間で500億円の大台を突破したことになる。現在のところ、インド株インデックスファンドとして残高が突き抜けているのは、「Nifty50」に連動する「iFreeNEXT インド株インデックス」と、「BSE SENSEX」に連動する「SBI・i シェアーズ・インド株式インデックスF」の2本になっている。

 インド株インデックスファンドの人気は、これまで人気が集中していた米国株式「S&P500」や、全世界株式「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」といったインデックスファンドに対し、米国株一極への集中投資に対する反省が生まれ、米国株以外の資産(新興国株や債券など)への分散が意識され始めた流れがあると考えられる。「全世界株式(オール・カントリー)」でも米国株への投資比率は62.3%を占め、新興国への投資比率は10%に過ぎない。世界の生産年齢人口が先進国の約8億人に対し、新興国は約44億人と圧倒的に新興国が多く、インドだけでも9.6億人(2022年)と先進国の合計を超えている。「S&P500」を保有する投資家には分散投資として新興国株式への投資ニーズはあり、それは、現在のところ一番人気の「全世界株式(オール・カントリー)」の保有者にもいえることだ。高まるインド株インデックスファンドの行方に注目していきたい。(グラフは、「SBI・i シェアーズ・インド株式インデックスF」の基準価額と純資産の推移)