ウエルスアドバイザーYouTubeチャンネル かんたんファンド検索 詳細条件でファンドを検索 ファンドの見直し

ファンドニュース

トップを独走する「eMAXIS Slim」の「オルカン」と「S&P500」と追う「iFree」に段差=ネット証券の投信積立契約件数ランキング24年3月

2024/04/02 17:45

 大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2024年3月のトップは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に、そして、第2位には「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第3位も前月と同様に「iFreeNEXT FANG+インデックス」が入った。このトップ3は3カ月連続になるが、2021年1月以来、3年余りにわたってトップ2を独占してきた「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に、「iFreeNEXT FANG+インデックス」がどこまで付いていけるか注目される。

 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

 ネット証券の投信積立契約件数ランキングは、個人投資家が自らの意志で投信の積立契約を締結しているかを知る重要な情報の1つと考えられる。ネット証券では、基本的に販売の窓口担当者がいないため、販売担当者のアドバイスなどに基づかず、投資家が自らの判断で投資対象を決定している。ネット証券では販売担当者が存在しないため、投資家個々人の意志がより直接的に反映されやすいと考えられる。ネット証券大手3社のランキング情報を通算することによって、より多くの投資家の意向をくみ取ろうとしている。

 そのランキング結果として、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は2021年1月以来、ワン・ツー・フィニッシュを継続している。2024年3月のランキングにおいても、この2ファンドの獲得ポイントは29ポイントと28ポイントであり、第3位の「iFreeNEXT FANG+インデックス」が12ポイントを大幅に引き離していることにも、個人投資家の間への浸透力の強さがうかがえる。個人投資家の多くがSNS等を使って情報収集をしているといわれ、いわゆる「投信ブロガー」などの間でも「eMAXIS Slim」や「オルカン」などの話題が積極的にやり取りされていることが、ランキングトップ2の強みといえ、この2銘柄については、他を引き離す圧倒的な存在感がある。

 一方、第3位の「iFreeNEXT FANG+インデックス」以下の銘柄群については、個人投資家の評価は定まっていないといえそうだ。第3位の「iFreeNEXT FANG+インデックス」は3カ月連続で3位に入ったことから、その他の銘柄に比べると浸透度は強いといえる。第4位以下は獲得ポイントが1ケタにとどまる。新NISAがスタートした2024年1月から、月を追うごとにランキングに入る銘柄が拡散しているように見える。新NISAをきっかけに、投信積立を始める投資家の人数が大きく増えていることから、様々な観点で投資対象が選ばれているのだろう。このまま投資対象銘柄の拡散が続くのだろうか? 今後のランキングに注目したい。