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ファンドニュース

投信市場で「主力級」の巨大ファンド「未来の世界」がつみたてNISA対象ファンドに登録

2023/09/19 18:48

 つみたてNISAの対象商品一覧が9月15日に更新され、新たに「指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)」にアセットマネジメントOneの「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が登録された。同ファンドは、純資産残高が6100億円を超える巨大ファンドで、「指定インデックス以外の投資信託」の中で、最も残高が大きかった「ひふみプラス」(約5400億円)を抜いてファンドリストで最大のファンドになる。「指定インデックス投資信託」では国内最大(ETF除く)の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2兆6600億円超という巨大なファンドがあるが、「指定インデックス投資信託以外」のカテゴリーでも6000億円規模の大型ファンドが登録されたことで、2024年1月スタートの新NISAに向けて改めて「つみたてNISAの対象ファンド」に注目が高まりそうだ。

 「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」は、2016年9月30日の設定で、設定から約7年間が経過している。年1回決算であり、設定から7年間の資金流出入で運用期間の3分の2以上で資金流入が確認されたことで、「つみたてNISA」の対象ファンドとしての登録が認められた。同ファンドは、近年こそ資金流出が目立っているが、設定から2021年頃までは大規模な資金流入が目立っていた。

 同ファンドは、日本を含む世界の株式市場の中から、「質が高いと考えられる企業(ハイクオリティ成長企業)」を選定し、市場価格が理論価格より割安と判断される銘柄に厳選投資する。パフォーマンス(運用成績)の傾向は、成長株が主導する米「S&P500」などとは異なる傾向がある。現在の世界株式インデックス(MSCI ACWI)の組み入れ銘柄の傾向は、米国の大手ハイテク企業(アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、アルファベットなど)が時価総額の関係で相対的に大きな比率で組み入れられているが、同ファンドの組み入れ上位には、米国のアマゾンやメタ・プラットフォームズなどのハイテク大企業が組み入れられるとともに、デンマークの運輸会社のDSVやインドのHDFC銀行、イタリアの高級衣料品メーカーのモンクレールなどが入っている。このため既存の外国株式インデックスファンドとは一線を画しており、分散投資の候補にもなる。

 実際のパフォーマンスも、過去3年(年率)のトータルリターンでは全世界株式インデックスの20.15%に対して同ファンドは6.36%と見劣りするが、過去1年間のトータルリターンでは30.91%と全世界株式インデックスの20.36%を大きく上回っている。金利水準が急速に引き上げられた環境で、今後の景気後退懸念が強まっている中だけに、企業の「質」に着目した同ファンドの銘柄選定は、昨今の不安定な株式市場の中で、よりよいパフォーマンスにつながっているようだ。2024年にかけて不透明な経済環境が続くと考えられているだけに、同ファンドのような安定的なキャッシュフローを生み出せる質の高い経営を行っている企業への投資は安心感がある。

 「つみたてNISA対象ファンド」に登録されたファンドは、2024年1月からの新NISAにおいては、「つみたて投資枠」で投資可能なファンドになり得る。「成長投資枠」だけでは非課税投資枠が1200万円のところ、「つみたて投資枠」を活用することによって新NISAの非課税投資枠1800万円がフルに活用できる。「つみたて投資枠」でも活用できるファンドは、新NISAの制度上でも活用のし甲斐があるファンドということができる。

 これまで投信市場で、大きな存在感を見せてきた「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が「つみたてNISA対象ファンド」となったことで、これからの登録銘柄への注目度は一段と高まってきたといえるだろう。投信市場で「主力級」のファンドが多く登録されることで、新NISA制度そのものへの注目度が高まる効果がありそうだ。(グラフは、「未来の世界」の過去1年間のパフォーマンス推移)