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過去10カ月連続で月次資金流入が継続、インド株ファンドに年0.46%の低コスト・インデックスFも登場

2023/08/30 18:54

 インドの株式を投資対象とした投信への資金流入は、この1年程度の間に急速に高まっている。ウエルスアドバイザーのデータベースによると、「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」に分類されるファンドは、現在34本で、2020年1月時点の32本から、さほど増えていないが、月次ベースの資金流出入の状況を見ていくと、2020年〜2021年と2022年〜2023年では様相が様変わりしていることがわかる。特に、2022年10月以降は、月次の資金流入が継続。その流入額も2022年10月の約103億円から、2023年7月には約1311億円へと10倍以上に拡大している。市場の注目を集め始めたインド株に投資するファンドに注目したい。

 2023年に国連の推計で、インドの人口が14億2860万人となり、初めて中国を抜いて世界最多の人口を抱える国になった。しかも、人口のおよそ半分が30歳未満という非常に若い国であることが、今後のインドの経済成長を期待させる。若く購買意欲の高い人口が非常に多いため、インドでの個人消費の拡大がインド経済の発展に大いに寄与するであろうことは容易に想像できる。

 過去1年間にわたって資金流入が継続し、かつ、運用期間が10年以上、純資産総額1000億円以上の投信の中で、過去3年間の累積トータルリターンが最も高かったのは、「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」だった。3年間の累積リターンは142.56%(基準日:2023年8月29日)になっている。同ファンドは、インドの消費拡大に焦点をあて、高収益・高成長が続くと見込まれる銘柄を選択して投資している。同ファンドの2023年7月の月報では「デジタル化の進展によりインドの消費関連企業が生み出したオンライン注文とデリバリーサービスのビジネスモデルは、中長期的には地方へ拡大することが期待されます。当ファンドでは、債務が少なく持続性のあるビジネスモデルを有する企業の株式を選好し投資を行ってまいります」として、オンラインビジネスと消費市場の拡大に注目している。

 一方、特定の産業に特化せず、インド株式市場のインデックス(株価指数)に投資して、できるだけ低コストでインドの成長の恩恵を資産形成に活かしたいという考え方もできるだろう。たとえば、9月22日に新規設定される「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」は、インドの株式市場を代表する株価指数である「S&P BSE SENSEXインデックス(配当込み、円換算ベース)」の値動きに連動する投資成果をめざすインデックス・ファンドだ。信託報酬率は年0.46%(税込み)となっている。現在、インドの株式を対象としたファンド(為替ヘッジなし)で、最も低い信託報酬率のファンドは、「iFreeNEXT インド株インデックス」の年0.78%(税込み)であるので、その水準を大きく下回る信託報酬率になる。

 もっとも、「iFreeNEXT インド株インデックス」は、「Nifty50指数(配当込み、円ベース)」に連動をめざすファンドであり、「SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」とは追随するインデックスが異なる。「Nifty50インデックス」はインドのナショナル証券取引所に上場している、浮動株調整後の時価総額、流動性の基準を用いて選定した50社の株式で構成される株価指数。「S&P BSE SENSEXインデックス」は、ボンベイ証券取引所に上場しているインドを代表する流動性が高く、財務状況の健全な大型株式30銘柄で構成されるインデックスになっている。対象とするインデックスの構成銘柄の上場市場が異なり、インデックスを構成する銘柄数も異なるが、ともに、インドを代表する証券取引所に上場する大型株で構成されるインデックスであることは同じだ。インド経済の中長期にわたる成長を享受するインド株のインデックスファンドという性格は同じといえるだろう。2つの指数の値動きも似ている。(図版は、インド株ファンドへの月次資金流出入の推移)