ファンドレーティング情報
「年金積立グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)」が初の5ツ星、国内外の株式と債券に分散投資
2025-07-09
ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2025年6月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,435本と前月から10本減少した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,405本あり、その内訳はレーティング新規9本、上昇207本、変わらず2,987本、低下202本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドを取り上げる。なお、運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドについては、該当する9ファンドに5ツ星がなかったため、今回は取り上げない。
「年金積立グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)」、10年リターンはカテゴリー内上位8%
同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドは32本ある。今回は、日興アセットマネジメントの「年金積立グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)」(愛称:DCグローバル・ラップ・バランス(積極成長型))と、三井住友DSアセットマネジメントの「ROE向上・日本厳選株式ファンド」(愛称:収穫)の2ファンドを取り上げる。
「年金積立グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)」は前月の4ツ星から上昇し、レーティングの付与が始まった2010年11月から176カ月目で初の5ツ星、「ROE向上・日本厳選株式ファンド」も前月の4つ星から上昇し、2023年7月以来23カ月ぶりの5ツ星となった。
「年金積立グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)」は、国内外の株式、債券に分散投資するバランス型ファンド。25年5月末時点の資産構成を見ると、日本大型株式25.38%、日本小型株式9.02%、日本債券19.04%、北米株式16.24%、欧州先進国株式14.30%、アジア太平洋株式4.19%、海外債券11.02%、短期資産その他0.81%となっている。
同年6月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は7.17%とカテゴリー「バランス」平均を2.01%上回り、カテゴリー内上位8%(144本中11位)となっている。
(図表)「年金積立グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)」のレーティングの推移

※期間:2010年11月~2025年6月
「ROE向上・日本厳選株式ファンド」、ROEと株主還元に着目して銘柄選択
「ROE向上・日本厳選株式ファンド」は、国内上場企業の中から、ROE(自己資本利益率)向上と株主還元に着目し、中長期的な業績拡大と株主還元が維持可能と判断した企業の株式に投資する。25年5月末時点で58銘柄を組み入れている。ポートフォリオの特性値は、予想ROE10.6%(TOPIX8.9%)、予想PER15.6倍(同16.0倍)、予想PBR1.6倍(同1.4倍)となっている。
同年6月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は9.19%とカテゴリー「国内大型ブレンド」平均を1.08%上回り、カテゴリー内上位18%(204本中36位)となっている。
ファンドレーティングとは
ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。
注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。