2024-04-11
ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2024年3月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,477本と前月から1本増加した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,354本あり、その内訳はレーティング新規24本、上昇155本、変わらず3,037本、低下138本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンド、及び運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドの中から注目のファンドを取り上げる。
レーティングが5ツ星に上昇したファンドは31本ある。今回は、フィデリティ投信の「フィデリティ・米国株式ファンドBコース(資産成長型・為替ヘッジなし)」を取り上げる。レーティングは前月の4ツ星から上昇し、2021年5月の付与開始から35カ月目で初めて5ツ星を獲得した。
「フィデリティ・米国株式ファンドBコース(資産成長型・為替ヘッジなし)」は実質的に、米国を中心とした世界(日本を含む)の上場企業の中から、成長力があると判断した企業やファンダメンタルズに対して株価が割安と判断した企業の株式に投資する。2024年1月末時点のポートフォリオの組入銘柄は271銘柄で、組入上位銘柄は、米『メタ・プラットフォームズ』10.4%、米『バークシャー・ハサウェイ』6.4%、米『マイクロソフト』6.1%となっている。
同年3月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は22.64%とカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」平均を5.63%上回り、カテゴリー内上位14%(189本中26位)となっている。
なお、同シリーズの「Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし)」も前月の4ツ星から上昇して、付与開始から35カ月目で初の5ツ星となった。
(図表)「フィデリティ・米国株式ファンドBコース(資産成長型・為替ヘッジなし)」のレーティングの推移
※期間:2021年5月~2024年3月
運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドは24本ある。今回は大和アセットマネジメントの「NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)」を取り上げる。
「NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)」は、局面によりNASDAQ100指数先物への投資配分比率を機動的に調整する場合と同様の投資成果が見込まれる連動債券に投資する。連動債券では、市場局面によりNASDAQ100指数先物の組入比率を純資産総額の▲30%(売り建て)~300%(買い建て)の範囲内で調整する。
2024年3月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は29.98%とカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジあり)」平均を4.53%上回り、カテゴリー81本中トップとなっている。
ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。
注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。