2024-03-15
ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2024年2月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,476本と前月から11本減少した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,317本あり、その内訳はレーティング新規9本、上昇185本、変わらず2,973本、低下150本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドの中から注目のファンドを取り上げる。なお、運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与された新規9本に5ツ星を獲得したファンドはなかった。4ツ星は2本あったがいずれもETF(上場投資信託)であるため、今回は取り上げない。
レーティングが5ツ星に上昇したファンドは42本ある。今回は、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」(=AB・米国成長株投信Dコース(H無)予想分配金)と野村アセットマネジメントの「アジア好配当株投信」を取り上げる。両ファンドともに前月の4ツ星から上昇し、「AB・米国成長株投信Dコース(H無)予想分配金」は2023年2月以来12カ月振り、「アジア好配当株投信」は2022年11月以来15か月ぶりの5ツ星となった。
「AB・米国成長株投信Dコース(H無)予想分配金」は実質的に、高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断した米国企業の株式に投資する。毎月決算を行い、計算期末の前営業日の基準価額に応じて分配を実施する。2024年2月末時点のポートフォリオの組入銘柄は52銘柄で、組入上位銘柄は、『マイクロソフト』8.8%、『エヌビディア』6.7%、『アマゾン・ドット・コム』6.4%となっている。
同月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は22.78%とカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」平均を6.67%上回り、カテゴリー内上位11%(189本中19位)となっている。
なお、同シリーズの「Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型」も前月の4ツ星から上昇して、5ツ星を獲得した。2023年1月以来13カ月ぶりとなる。
(図表)図表タイトル
※期間:2017年9月~2024年2月
「アジア好配当株投信」は実質的に、日本を除くアジア諸国・地域(韓国、台湾、香港、中国、シンガポール、インドなど)の企業の株式を主要投資対象とする。配当利回りが市場平均を上回る銘柄を中心に、配当の安定性や成長性、中長期の競争力、株価の割安度などから投資銘柄を選別する。2024年2月末時点のポートフォリオの組入銘柄は85銘柄で、組入上位銘柄は、中国の『中国建設銀行』5.2%、台湾の『メディアテック』5.0%、台湾の『台湾セミコンダクター』4.3%となっている。
同月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は7.51%とカテゴリー「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」平均を1.88%上回り、カテゴリー内上位15%(85本中12位)となっている。
ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。
注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。