ファンドレーティング情報

「スマート・ファイブ(毎月決算型)」が7カ月振りの5ツ星、値動きの異なる5資産に分散投資

2023-12-08

 ウエルスアドバイザーでは毎月、運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2023年11月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,485本と前月から23本減少した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,277本あり、その内訳はレーティング新規10本、上昇163本、変わらず2,962本、低下142本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドの中から注目のファンドを取り上げる。なお、同条件で運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与された10ファンドについては、5ツ星を獲得したファンドがなかったため、4ツ星を獲得したファンドの中から取り上げる。

「スマート・ファイブ(毎月決算型)」、10年トータルリターンはカテゴリー内上位14%

 レーティングが5ツ星に上昇したファンドは33本ある。今回は、日興アセットマネジメントが運用する「スマート・ファイブ」の『毎月決算型』と『1年決算型』を取り上げる。『毎月決算型』、『1年決算型』ともにレーティングは前月の4ツ星から5ツ星に上昇し、『毎月決算型』は2023年4月以来7カ月ぶり、『1年決算型』は同6月以来5カ月ぶりに5ツ星を獲得した。

 「スマート・ファイブ」は実質的に、日本国債、高金利海外債券、グローバル高配当株式、グローバルREIT、金という5つの資産に分散投資することで、基準価額の変動を抑えながら収益の獲得を目指すバランスファンドである。各資産の基準価額への影響度合いが概ね均等になるような資産配分戦略(スマート・ファイブ戦略)を用いる。資産配分は定期的に見直す。

 純資産残高の大きな『毎月決算型』(2023年11月末時点で2,916億円)の同年10月末時点の資産配分比率は、日本国債37.8%、高金利海外債券19.5%、グローバル高配当株式10.1%、グローバルREIT8.2%、金23.1%、その他1.3%。同年11月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は3.14%とカテゴリー「安定」平均を1.63%上回り、カテゴリー内上位14%(46本中第6位)となっている。

(図表)「スマート・ファイブ(毎月決算型)」のレーティングの推移

(図表)「スマート・ファイブ(毎月決算型)」のレーティングの推移

※期間:2016年7月~2023年11月

新規付与では「グローバルESGバランス」の為替ヘッジなし2ファンドが4ツ星獲得

 同条件でレーティングが新規に付与された10ファンドに5ツ星はなかったが、7ファンドが4ツ星を獲得した。その中から、野村アセットマネジメントの「グローバルESGバランスファンド」(愛称:ブルー・アース)の『(為替ヘッジなし)年2回決算型』と『(為替ヘッジなし)隔月分配型』を取り上げる。

 「グローバルESGバランスファンド」は実質的に、新興国を含むグローバル小型株、米ドル建ての先進国社債、米ドル建ての新興国国債、グローバルREITに分散投資するバランスファンド。投資銘柄の決定に際しては、ESG(環境・社会・企業統治)の観点を踏まえる。基本投資比率は、グローバル小型株25%、先進国社債35%、新興国国債15%、グローバルREIT25%。

 純資産残高の大きな『(為替ヘッジなし)年2回決算型』(2023年11月末時点で690億円)の同年10月末時点の組入比率は、グローバル小型株24.0%、先進国社債35.5%、新興国国債15.3%、グローバルREIT24.2%、現金・その他1.1%。同年11月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は8.33%とカテゴリー「安定成長」平均を4.64%上回り、カテゴリー内上位12%(289本中第34位)となっている。

ファンドレーティングとは

 ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。

注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。

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