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パフォーマンスの評価

■ 色々なパフォーマンス評価

 ファンドのパフォーマンスの測定は、単にリターンを測定するだけでは十分とは言えません。ファンドのリターンが高くても、それはファンドマネジャーがリスクの高い投資をした結果、達成されたのかもしれないからです。このようにパフォーマンス測定を見る場合、リスクに見合ったリターンが他のファンドと比較してどうかということが重要です。
  それではまずファンドのリスク尺度について見ていきましょう。

標準偏差
  標準偏差は、ある測定期間内のファンドの平均リターンから各リターン(例えば月次リターン、年次リターン等)がどの程度離れているか(すなわち偏差)を求めることによって得られる統計学上の数値です。この数値が高い程、ファンドのリターンのぶれが大きくなります。例えば、同一のリターンが期待される2つのファンドがあった場合、標準偏差が大きいほど期待したリターンが乖離(かいり)した結果となる可能性が高くなります。また、カテゴリーの中でファンドの標準偏差が平均以上なのか以下なのかを確認して下さい。

β(又はベータ、β値)
  βは、個々のファンドが市場インデックス(東証TOPIXなど)に対して何倍の値動きをするかいう値です。βはファンドが市場に対し、どれくらい敏感に反応するかを示す値とも言えます。例えば、TOPIXのβ値=1.0ですが、この時、Aファンドのβ値=1.2であれば、相場上昇時にはAファンドの値上がりはTOPIXより20%高くなる反面、相場下落時にはTOPIXより20%余計に値下がりすることを意味します。βはポートフォリオに存在するリスクのうち、分散によっても消去できないリスクを測る指標であるため、測定するポートフォリオが高度に分散していることが前提となります。

カテゴリー内リスク
  ウエルスアドバイザーでは、ファンドのリターンが特定の金利水準を下回った時だけをリスク(下方リスク)と考えます。上回った時はリスクとしてとらえません。カテゴリー内リスクの計算は、リスクがないと想定される特定の短期金利(無担保コール翌日物)と、ファンドの月次リターンを比較することで行います。具体的には36カ月の間に、ファンドの月次リターンが短期金利を下回った月の下回ったパーセンテージを合計し、さらに合計数字を対象期間の月数(36)で割って、月次の平均数値を求めます。こうして求めた下方乖離幅(かほうかいりはば)をそのファンドが属する小分類の平均値と比較します。実際には小分類の平均値で割ることにより、平均との相対価(リスクスコア)を求めます。(式については後編に記載のファンドレーティング値欄を参照)

 次に、上記のリスクを考慮した「リスク調整後のパフォーマンス測度」について説明します。

シャープレシオ(シャープ測度ともいう)
  シャープレシオ<図29>はリスクに見合ったリターンを得ているかを表す指標でリスク尺度にリターンのぶれの大きさ(標準偏差)を使用します。数値が大きい方が高い評価となり、ウエルスアドバイザー社以外の多くの投信評価会社が採用しています。

(図29)シャープレシオ


シャープレシオ

 

トレイナーの測度
  トレイナーの測度<図30>はリスク尺度にベータ(β)をとり、リターンと関係づける測度です。シャープレシオと同様、数値が大きいほど安定的な収益をあげていたことを表します。βがリスク尺度として有効となるには、ポートフォリオが高度に分散されていることが要件となります。従って、投資信託の場合、マーケット連動ファンドにはトレイナーの測度が有効と考えられますが、株式や債券、その他資産からなるファンドでは、シャープレシオの方が適していると言えます。

(図30)トレイナーの測度


トレイナーの測度

ファンドレーティング値
  ファンドレーティング(☆印での5段階評価)は、ファンドのリスク調整後パフォーマンスの総合評価を小分類中で比較して評価しますが、その基になっている数値がファンドレーティング値です。運用成績が3年以上のファンドを対象として、過去3年間のリスク調整後のパフォーマンスを<図31>の式で求めます。

(図31)ファンドレーティング値


ファンドレーティング値

その他パフォーマンス評価
  アクティブファンドのように、特定のベンチマークを上回る成果を目標としているファンドには、そのベンチマークを実際何パーセント上回っているどうかを見ることも、重要なパフォーマンス評価の1つと言えます。