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投資信託講座

投資信託ってなに?

 投資信託を学ぼう

■ リスクとリターンを確認してみましょう

 ハイリスク・ハイリターンという単語をよく聞きます。でもなぜ「ハイリスク」なら「ハイリターン」なのでしょうか?

 投資信託のリスクとリターンには次の関係があります。

投資信託では、投資信託の値動きの幅が「リスク」です。値動きの幅(リスク)の大きい資産ほど、期待できる収益(リターン)が高い傾向があります。

 投資信託では、商品の値動きの幅を「リスク」といいます。これは「標準偏差」という指標ではかることができます。値動きが大きければ、自分にとって「良い値段」にも「悪い値段」にもなる可能性が「高く」なります。一方、値動きが小さければ、「良い値段」や「悪い値段」になりにくいといえます。つまり、値動きの幅(リスク)の大きい資産ほど期待できる収益(リターン)が高い傾向にあるのです。

 下の図1をみてください。これは1年間の変化率の大小を表したものです。例えば国内株式は1年間に65.8%上昇したことがある一方で、1年間で48.8%下落したこともあることを表しています。一方、国内債券は1年間に14.1%上昇したことがある一方で、1年間で2.9%下落したことがあることを表しています。縦に長ければ長いほど変化の幅(リスク)が大きく、そして高い収益(リターン)を得られる可能性も高くなるのです。

図1:最大・最小リターン(1年)

最大・最小リターン(1年)

※1 1993年10月から2015年1月までの各指数の月末値を基に算出
※2 国内株式=「日経平均株価」、国内債券=「NOMURA−BPI総合」、海外株式=「MSCI コクサイ(除く日本、円ベース)」、海外債券=「シティ世界国債インデックス(除く日本、円ヘッジ)」
出所:ウエルスアドバイザー作成

 国内株式や海外株式は国内債券や海外債券に比べると、値動きの幅が大きいことがわかります。また同じ債券でも海外債券は国内債券に比べて値動きの幅が大きいことがわかります。このような関係を表したものが次の図2になります。

図2:リスク・リターンの関係

リスクとリターンを確認してみましょう

出所:ウエルスアドバイザー作成

 債券は、市場で売ったり買ったりされていますので、値段は常に変わります。ただ債券投資は利子や満期日に戻ってくる元本が約束されているため、値動きは安定します。その一方で、投資元本が戻る保証のない株式は値動きが大きくなるのです。

 では、このようなリスク・リターンの組合せを目の前にしてどのようなタイプを選択すればいいのでしょうか?まず「自分がどれほどリスクを負担できるか?」という質問に対する正しい答えを見つけることです。そして次に「低リスク&高リターン」という究極の目的に近づくために考えなければならないのが資産配分や購入方法です。複数の資産を組み合わせたり、一括で買わずに分けて買うことでリスクを抑えることができます。

 最後に、リスクを減らすための方法を考えてみましょう。

【方法1】 資産の分散:複数の資産を組み合わせましょう
【方法2】 長期保有:長期間、保有しましょう
【方法3】 時間の分散:積み立てを活用しましょう

【方法1】 資産の分散

 資金を1つの資産にまとめて投資せず、値動きの異なる様々な資産に分散投資すれば、リスクも分散し、安定性が増します。

 投資信託は値動きのある株式や債券に投資しますが、株式と債券は大雑把にいうと反対の動きをします。異なる値動きの商品に投資する投資信託を組み合わせて買うことにより、価格が大きく変わるリスクを減らすことが可能です。

 たくさんの卵を運ぶ時に、「すべての卵を1つのカゴに入れるな」ということわざがあります。もし、1つのカゴに入れて、運ぶ途中に転んだら、元も子もなくなってしまうからです。いくつかのカゴに分けて運べば全部ダメにしてしまう可能性は少なくなります。投資も同じです。1つの投資対象に資金をすべて注ぎ込むと、最悪の場合、ゼロになってしまうこともあります。複数の投資対象に分散して投資をする事が重要です。

 また、株式も債券も、およそ市場の動きというものはサイクルを描きます。つまり、いい時もあれば悪い時もあるのです。その一方で、株式と債券は一般的に反対の動きをします。そのため、債券が良くないときは株式が好調、株式がダメな時は債券が好調、といった具合で他の資産で取り返すことができるのです。

【方法2】 長期保有

 市場は、短期間では一時的な要因により大きく変動することがありますが、長期間でみると、時間あたりのリスクは小さくなる傾向があります。

 リスクを抑える2番目の方法が「長期投資」です。「長期投資」とは、長い期間にわたって投資し続けることを意味しますが、短期的な値段の上下よりも、長期にわたる成長の大きなうねりに乗ることができる、というメリットがあります。たとえば、株式であっても10年間投資をすれば、株式市場の長期的な成長に乗ることができ、結果として1年間や2年間の短期投資に比べると、年間あたりのリスクを減らすことができます。

図3:投資期間別 最大・最小リターン

投資期間別 最大・最小リターン

※1 1982年1月から2015年1月までの日経平均株価(月次ベース)を基に算出
出所:ウエルスアドバイザー作成

【方法3】 時間の分散

 全額を一度に投資するのではなく、何回かに分けて投資したり、毎月一定額を積み立てるなどの方法で購入時期を分散させることによっても、リスクを小さくすることができます。

 値動きのある商品への投資を考える場合、安いときに買って高いときに売ればもうかりますが、これはプロでもとても難しいことです。そこで、毎月、一定の金額を積み立てるなどの方法(「ドルコスト平均法」と呼ばれます)をとってみましょう。「ドルコスト平均法」は、価格が低くなったら買い増し、価格が高くなったら買う量を減らします。このように値段の上下にかかわらず、継続的に一定金額を投資することで、高値で買い過ぎたり、安値で買い損ねたりするリスクを避けることができるのです。つまり、この「ドルコスト平均法」を利用すれば、いつ買えばいいのか、という投資タイミングの悩みから解放される訳です。また「ドルコスト平均法」により、価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く購入することができるので、毎月一定口数を購入することに比べて、結果的に平均購入単価を引き下げることができる効果も期待できます。

図4:一括購入と積立投資による投資信託の評価額の推移

一括購入と積立投資による投資信託の評価額の推移

青い線が2003年末に一括で買った時のその後の評価額(1単位あたり)。
赤い線が毎月3万円ずつ買ったときの持っている投資信託の評価額(1単位あたり)。
もし、相場の読みに自信があれば安いところで買って、高いところで売るのがベスト!
でもその読みに自信がなければ相場の動きにはらはらしてしまいます。
ところが積み立てて買うと、相場の上げ下げが単価をならすことになるため、その値動きはかなり小さくなります。