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「eMAXIS Slim」がトップ10席巻、「iFreeNEXT インド株インデックス」が第4位に躍進=ネット証券の投信積立契約件数ランキング23年7月

2023/08/04 11:33

 大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2023年7月のトップは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になった。同ファンドが単独でトップになるのは、2022年11月以来8カ月ぶり。第2位には「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、第3位には前月の第4位からランクアップした「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が入った。「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は前月の第3位からランクダウンして第4位になった。また、「iFreeNEXT インド株インデックス」が、前月の第6位からジャンプアップして同ポイントで第4位に食い込んだ。

 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

 2024年1月スタートの「新NISA」を控えて、投信のつみたて契約件数への関心が高まってきている。新NISAの「つみたて投資枠」、「成長投資枠」のいずれにしても、資産形成を目的としたつみたて投資が制度活用の軸になるとみられているからだ。「つみたて投資枠」の対象ファンドは、現在の「つみたてNISA」対象ファンドと同じであり、「成長投資枠」の対象となるファンドも投資信託協会から発表が始まっている。共通するのは、低コストで、分配頻度を抑えたつみたて投資に向いている商品が主力になっていることだ。

 大手ネット証券の積立契約件数ランキングをみると「eMAXIS Slim」シリーズが一段と存在感を増してきているようにみえる。7月のトップ10では、6銘柄がランクインしている。前年までの傾向だとトップ10に入ってくる「eMAXIS Slim」シリーズは4銘柄〜5銘柄だったが、今年に入ってからは5銘柄〜6銘柄に占有率を一段階アップしている。数あるインデックスファンドの中で、「eMAXIS Slim」シリーズが積立契約件数のトップ10で過半数を押さえるというのは、業界の中で飛び抜けた存在になっているということだ。

 米国株「S&P500」、全世界株「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」、先進国株「MSCIワールド」、国内債券「NOMURAーBPI総合」、国内株式「日経平均株価」などの主要インデックスについては、「eMAXIS Slim」シリーズがナンバーワンの地位を確立しているようにみえる。特に、今年になってから注目度を増した国内株式のインデックスにおいて、「たわらノーロード 日経225」などを押さえて「eMAXIS Slim」がトップに立ったのは、インデックスファンドのブランドとしての「eMAXIS Slim」の強さがうかがえる。

 一方、主要なインデックスとは異なる「インド株インデックス」で「iFree」が存在感を見せている。この分野では「iTrustインド株式」も健闘しているが、「iFree」が抜け出したようだ。主要インデックスで身を削るような競争を行うよりも、主要インデックスを補完するサブ・インデックスでしっかりと存在感を発揮するという戦略もある。特に、新NISAでは非課税投資枠が大幅に拡充された。「つみたて投資枠」だけでも月間10万円のつみたてが可能になっている。「成長投資枠」であれば、毎月20万円の投資が可能だ。これを併用することもできるため、たとえば、「S&P500」をメインにつみたて投資を実行するとして、そこに毎月30万円を投資するという考え方もあれば、「S&P500」に10万円、「日経平均」に10万円、「インド株」に10万円など、複数の銘柄を併用してつみたて投資を実行するというニーズも増えてくると考えられる。今後は、主要インデックス以外の分野でも競争が激しくなっていくものと考えられる。