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新興国ニュース

<新興国eye>トルコ5月CPI、前年比39.59%上昇に減速―1年5カ月ぶりに40%下回る(1)

2023/06/08 09:57

 トルコ統計局が5日発表した5月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比39.59%上昇と、前月(4月)の同43.68%上昇を下回り、22年10月の同85.51%上昇をピークに7カ月連続で減速した。インフレ率が40%を下回るのは21年12月(36.08%上昇)以来1年5カ月ぶり。水準的にもそれ以来の低い伸びとなった。市場予想(39.2%上昇)とほぼ一致した。

 同国のCPI伸び率はウクライナ戦争の勃発(22年2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁により、エネルギー価格の高騰と、中銀の利下げに伴う通貨トルコリラの急落が加わり、インフレ率は21年6月(前年比17.53%上昇)以降、22年10月(同85.51%上昇)まで17カ月連続で急加速したが、同11月(同84.39%上昇)にようやく1年6カ月ぶりに伸びが減速に転じている。

 インフレ率の伸びが減速したのは、引き続きエネルギーや食品の価格の伸びが減速したことに加え、前年同期のインフレ率が高かったため、低目の数値が出る、いわゆるベース効果が大きい。1年前(22年5月)のインフレ率は73.50%上昇と、その1年前(21年5月)の16.59%上昇から急加速している。

 また、市場では2月6日に南東部を襲った大規模地震(死者数約5万人)後の災害復旧で急激な物価上昇が懸念されたが、政府が5月の大統領選を控え、5月の天然ガス料金の無料化を決めたことを受け、トルコ統計局が5月CPIを構成する天然ガス価格をゼロにしたことが5月のインフレ急減速に寄与したと見ている。全体指数に占める天然ガスのウエートは2.9%。政府は5月の天然ガス料金の無料化に加え、24年5月までの時限措置として、毎月25立方メートルまで無料化することも決めており、政府負担額は400億リラ(約19億ドル)と推定されている。

 前月比も0.04%上昇と、4月の2.39%上昇を大きく下回り、19年6月(0.03%上昇)以来、3年11カ月ぶりの低い伸びとなった。市場予想(0.2%上昇)も大きく下回った。(2)へつづく

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