ウエルスアドバイザーYouTubeチャンネル かんたんファンド検索 詳細条件でファンドを検索 ファンドの見直し

ファンドニュース

アセマネOneと三菱UFJ国際投信がインデックスファンドのコストを引き下げ、新NISAに向け競争激化も

2023/04/04 18:48

 インデックスファンドのコスト引き下げ競争が再燃する気配を見せている。足元では、アセットマネジメントOneの動きに三菱UFJ国際投信が即応する構図が際立つ。

 アセットマネジメントOneは3月30日からインデックスファンド「たわらノーロード S&P500」の運用を開始した。同ファンドは信託報酬等(税込)を年率0.09372%に設定しており、米国株式に投資するインデックスファンドの中で最低水準となる。

 同ファンドの設定に反応したのが、三菱UFJ国際投信だ。同社は3月15日、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の信託報酬等(税込)を4月25日付で「年率0.0968%以内」から「同0.9372%以内」に引き下げると発表した。「eMAXIS Slim」シリーズは「業界最低水準の運用コスト」を掲げるインデックスファンドシリーズである。

 アセットマネジメントOneは3月24日には、「たわらノーロード」シリーズの一部ファンドの信託報酬等を4月7日付で引き下げると発表した。対象となるのは、「たわらノーロード先進国株式」、「たわらノーロード 全世界株式」、「たわらノーロード新興国株式」などインデックス型4ファンドとバランス型4ファンドの計8ファンド。主なファンドでは、「たわらノーロード先進国株式」の信託報酬等(税込)が「年率0.10989%」から「同0.09889%」、「たわらノーロード 全世界株式」が「同0.132%」から「同0.1133%」、「たわらノーロード新興国株式」が「同0.374%」から「同0.1859%」となり、いずれも同じ資産に投資するインデックスファンドの中で最低水準となる。

 三菱UFJ国際投信も3月30日、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS 新興国株式インデックス」など8ファンドの信託報酬等を5月11日付で引き下げると発表した。引き下げ後の信託報酬等(税込)は、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」が「年率0.09889%以内」、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が「同0.1133%以内」、「eMAXIS 新興国株式インデックス」が「同0.1859%以内」。8ファンドのうち競合するファンドでは「たわらノーロード」と同水準となる。

 インデックスファンドのコスト引き下げの背景にあるのは、2024年から始まる新NISAだ。新NISAは非課税枠が拡大し、運用期間が無期限化することから、同制度を活用して資産形成を図る投資家は増加すると見られる。現行NISA(一般NISAとつみたてNISA)と新NISAで資金のロールオーバーはできないが、現行NISAを開設した金融機関は、何も手続きをしなければ2024年1月から新NISAが自動的に始まることになる。NISAの新規口座開設は、既に新NISAスタートを見据えた前哨戦になっている。運用会社としては、新NISAの「つみたて投資枠」の主軸になると目される低コストインデックスファンドにおいて、他社に後れをとるわけにはいかない。低コストインデックスファンドは、増加する投資家を獲得するための有力なツールとなる。今後、他の運用会社も参戦して競争が激化するか注目される。