ファンドレーティング情報

「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」が25カ月目で初の5ツ星、構造的に強靭な米国企業に長期投資

2022-08-10

 モーニングスターでは毎月、運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にレーティングを付与している。2022年7月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,589本と前月から9本減少した。このうち同月末時点における純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,158本あり、その内訳はレーティング新規9本、上昇212本、変わらず2,753本、低下184本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンド、及び同条件で運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドの中から注目ファンドについて取り上げる。

「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」、5年トータルリターンはカテゴリー内上位15%

 レーティングが5ツ星に上昇したファンドは55本ある。今回は農林中金全共連アセットマネジメントの「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」に注目したい。モーニングスターレーティングは前月の4ツ星から上昇し、2020年7月の付与開始から25カ月目で初の5ツ星となった。

 同ファンドは、実質的に、米国上場企業の中から「構造的に強靭な企業」20~30社程度に厳選して長期的に投資する。「構造的に強靭な企業」とは、「付加価値の高い産業」、「圧倒的な競争優位性」、「長期的な潮流」の3つの基準を満たす持続的に利益を生み出すと予想される企業を指す。2022年6月末時点の組入銘柄は28で、組入比率上位は『ウォルト・ディズニー』7.2%、半導体大手の『テキサス・インスツルメンツ』6.3%、コネクター大手の『アンフェノール』6.3%。

 2022年7月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は15.38%とモーニングスターカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」平均を4.43%上回り、カテゴリー内上位15%(161本中24位)となっている。

(図表)「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」のレーティングの推移

(図表)「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」のレーティングの推移

※期間:2020年7月~2022年7月
出所:モーニングスター作成

新規付与銘柄では「ジパング企業債ファンド」、日本企業及び日本企業海外子会社が発行する債券に投資

 2022年7月末時点で初めてレーティングが付与された9ファンドの中では、3ファンドが5ツ星を獲得した。その中で今回は、日興アセットマネジメントの「ジパング企業債ファンド」に注目したい。

 同ファンドは、実質的に、「ジパング企業」(日本企業及び日本企業の海外子会社)が発行する円建て及び外貨建ての債券に投資する。取得時にBBB-相当以上の格付けを有する普通社債や劣後債などに投資する。2022年6月末時点のポートフォリオを見ると、格付別構成比(銘柄格付)はA47.0%、BBB44.1%など、平均最終利回り(為替ヘッジコスト控除後)は2.34%となっている。

 2022年7月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は0.13%となり、カテゴリー「国際債券・グローバル・含む日本(為替ヘッジあり)」平均を2.49%上回り、カテゴリー内上位5%(46本中2位)となっている。

ファンドレーティングとは

 ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。

注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。

直近記事 一覧はこちら

バックナンバー

PR