温暖化対策や資源高騰局面で強みを発揮する原発をめぐり、日本国内でも再稼働への動きが企業業績に反映されてきた。関連銘柄への関心が続きそうだ。

＜女川など運転控える＞

　日本では２月１０日現在、１０基の原発が稼働している。さらに、東北電力<9506.T>の女川原発２号機（宮城県女川町）や中国電力<9504.T>の島根原発（島根県松江市）２号機などが運転再開を計画している。女川２号機は再稼働の予定延期を重ねたが、今年９月の運転を目指している。

　また、東京電力ホールディングス<9501.T>の柏崎刈羽原発電所（新潟県）については昨年、原子力子力規制委員会が運転禁止命令を解除した。これらの施設では安全対策工事が進められているほか、再稼働に向けては機器のメンテナンス需要も高まるとみられる。

　こうした中、原発のバルブ開閉を調整するバルブアクチュエーターに強い日本ギア工業<6356.T>が、１９日に今３月期の連結業績予想を上方修正した。原発向けも大型案件が寄与することなどで、営業利益（非連結）は前期比２．２倍の２１．０億円（従来予想１４．６億円）を見込む。

＜木村化や西華産に注目＞

　木村化工機<6378.T>や太平電業<1968.T>にも商機が広がりそうだ。木村化は原発の濃縮機器や容器を手掛け、再稼働に関連する業務や福島第１原発の除染に絡む受注が拡大している。プラント工事の太平電も、原発を含めた発電所の設備の建設・補修工事が伸びている。

　商社の西華産業<8061.T>も有望だ。今３月期は大型案件の売上計上が前期比で減少する中でも、連結営業利益は過去最高だった前期比微減（４５億円、前期比３％減）を計画。発電設備のメンテナンス工事が順調に推移し、株価も頑強だ。

　原発用バルブの岡野バルブ製造<6492.T>は前１１月期に原発改修需要によって収益が拡大した。今期はその反動が見込まれるものの、中期的には新たな案件や点検のニーズが拡大しそうだ。ＴＶＥ<6466.T>も原発向けバルブに強い。

提供：ウエルスアドバイザー社

◎モルガン・スタンレーＭＵＦＧ証券（３段階・オーバーウエート＞イコールウエート＞アンダーウエート）

　岩谷産<8088.T>――新規「オーバーウエート」、９１２０円

　関西電力<9503.T>――新規「オーバーウエート」、２７７０円

　中国電力<9504.T>――新規「オーバーウエート」、１９３０円

　東北電力<9506.T>――新規「オーバーウエート」、２０００円

　大阪ガス<9532.T>――新規「オーバーウエート」、３７４０円

　出光興産<5019.T>――新規「イコールウエート」、８１０円

　ＥＮＥＯＳ<5020.T>――新規「イコールウエート」、５７０円

　コスモエネＨ<5021.T>――新規「イコールウエート」、５８００円

　中部電力<9502.T>――新規「イコールウエート」、２０７０円

　北陸電力<9505.T>――新規「イコールウエート」、６５０円

　四国電力<9507.T>――新規「イコールウエート」、１１００円

　九州電力<9508.T>――新規「イコールウエート」、１０７０円

　北海道電力<9509.T>――新規「イコールウエート」、６８０円

　東ガス<9531.T>――新規「イコールウエート」、３５４０円

　Ｊパワー<9513.T>――新規「アンダーウエート」、１２２０円

　邦ガス<9533.T>――新規「アンダーウエート」、２１３０円

　東急<9005.T>――「イコールウエート」→「オーバーウエート」、１８００円→２３００円

提供：ウエルスアドバイザー社

◎新規・再開

　岩谷産<8088.T>――米系が３段階の最上位に

　関西電力<9503.T>――米系が３段階の最上位に

　中国電力<9504.T>――米系が３段階の最上位に

　東北電力<9506.T>――米系が３段階の最上位に

　大阪ガス<9532.T>――米系が３段階の最上位に

　出光興産<5019.T>――米系が３段階の真ん中に

　ＥＮＥＯＳ<5020.T>――米系が３段階の真ん中に

　コスモエネＨ<5021.T>――米系が３段階の真ん中に

　ユニオンツール<6278.T>――国内地場が３段階の真ん中に

　中部電力<9502.T>――米系が３段階の真ん中に

　北陸電力<9505.T>――米系が３段階の真ん中に

　四国電力<9507.T>――米系が３段階の真ん中に

　九州電力<9508.T>――米系が３段階の真ん中に

　北海道電力<9509.T>――米系が３段階の真ん中に

　東ガス<9531.T>――米系が３段階の真ん中に

　Ｊパワー<9513.T>――米系が３段階の最下位に

　邦ガス<9533.T>――米系が３段階の最下位に

◎格上げ

　ネクソン<3659.T>――国内大手が３段階の最上位に

　東急<9005.T>――米系が３段階の最上位に

　ＪＲ九州<9142.T>――米系が３段階の最上位に

◎格下げ

　ホシザキ<6465.T>――国内準大手が３段階の真ん中に

　ＰＨＣＨＤ<6523.T>――米系が３段階の真ん中に

提供：ウエルスアドバイザー社