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2024-06-24 16:02:00.0
2024-06-24 16:02:00.0
上場企業の前3月期の株主還元が過去最高水準に高まる中、高配当銘柄の魅力が改めて注目されている。6月は配当金の払い込みが集中し、再投資の買いも期待される時期だ。そこで、株主資本(純資産)に対する配当総額の割合を示す「DOE(株主資本配当率)」上位の銘柄を押さえておきたい。
<ZOZO、メイテックなど上位に>
コロナ後の経済活動の再開で企業の業績が上向く中、東証が資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請したこともあり、増配や自社株買いなどの株主還元を強化する企業が増えている。前期の配当と自社株買いを合わせた株主還元総額は約25兆円と、過去最高に達したとみられる。
高配当株への人気はかねてから高いが、こうしたタイミングで改めて物色対象として浮かび上がる。
一方、東証の「自己株式等の取得に関するガイドライン」では、四半期末以前の5営業日について、維持的買い付けや買い上がりなど価格を意識した自社株買いを事実上禁じている。このため、6月24〜28日は自社株買いの自粛に伴う需給悪化も想定されるが、その後は正常化する公算。積極還元姿勢を示す銘柄の買い場になりそうだ。
前期実績でDOEの高い銘柄(表参照)としては、ファッションEC(Eコマース、電子商取引)サイト「ゾゾタウン」のZOZO<3092.T>が38.5%とトップ。前3月期の年間配当は104円(中間49円、期末55円)。配当性向は70.2%だ。自己株式の取得も含めた総還元性向は中・長期で80%超を目指している。
技術者派遣のメイテックグループホールディングス<9744.T>のDOEは18.8%。配当利回りは6%台と高水準だ。前3月期の年間配当は114円(中間44円、期末70円)。今期予想は記念配30円を含む188円(中間88円、期末100円)としている。
ソフトバンク<9434.T>の前3月期年間配当は86円(中間、期末とも43円)。DOEは18.1%で、配当利回りは4%台。エンジニア派遣のフォーラムエンジニアリング(=Fエンジニア)<7088.T>のDOEは15.1%で、業績面では今3月期の連結営業利益の予想を34.6億円(前期比14%増)としている。
3月期決算でDOEが高い主な銘柄
銘柄(コード) 予想配当利回り 株価6/21 DOE
ZOZO<3092.T> 2.8% 3885円 38.5%
ITM<2148.T> 5.3% 1886円 23.4%
メイテックG<9744.T> 6.1% 3089円 18.8%
カカクコム<2371.T> 2.5% 2034.50円 18.5%
ソフトバンク<9434.T> 4.4% 1942.50円 18.1%
Jリース<7187.T> 3.5% 1275円 17.6%
学究社<9769.T> 4.2% 2081円 15.5%
UTグループ<2146.T> 5.4% 3065円 15.3%
M&ACH<2127.T> 3.5% 823円 15.2%
Fエンジニア<7088.T> 5.0% 848円 15.1%
ダブルスタン<3925.T> 3.5% 1699円 14.9%
JPX<8697.T> 1.7% 3673円 14.8%
JESHD<6544.T> 1.0% 2542円 14.8%
寿スピリッツ<2222.T> 1.5% 1868.50円 14.1%
MSJP<6539.T> 5.3% 1054円 13.5%
松井証<8628.T> 4.8% 835円 13.5%
コプロHD<7059.T> 3.7% 1629円 12.5%
SBIGAM<4765.T> 3.4% 650円 11.9%
ランドC<3924.T> 4.5% 805円 11.8%
クイック<4318.T> 4.4% 2124円 11.7%
予想配当利回りは市場予想を含む
提供:ウエルスアドバイザー社