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2024-03-27 16:00:00.0
2024-03-27 16:00:00.0
働きながら高齢者を介護する「ビジネスケアラー」の急増による、経済への影響が懸念されている。損失軽減へ向けた仕事との両立支援の強化が急務となる中で、関連するサービスのニーズが膨らみそうだ。
<9兆円の経済損失!?>
経済産業省が昨年発表した試算では、ビジネスケアラーは2030年に国内で318万人(20年比2割超増)に達する見通し。労働生産性の悪化などを通じ、約9兆円規模の経済押し下げ影響が想定される。
ビジネスケアラーは50−60歳代に集中する。未婚率の上昇もあり、1人で複数人の介護を担うケースも増えるとみられる。それによる離職の増加で、日本の労働力が削減される可能性がある。
これを受け、経産省は企業のビジネスケアラー支援に関する指針を今後策定し、会社ぐるみで介護者を支える体制づくりに本腰を入れる。費用の補助のほか、介護と仕事の両立を可能にする勤務体系の整備などが視野に入る。
<通所・訪問介護など>
介護支援の拡充により、デイサービス(通所介護)や訪問介護の需要が拡大しそうだ。
デイサービスでは、都内で通所介護施設を展開するケアサービス<2425.T>や、在宅介護のケア21<2373.T>、短時間リハビリ型の「レコードブック」を展開するインターネットインフィニティー(IIF)<6545.T>などが挙げられる。
Recovery International(=リカバリー)<9214.T>は看護師による訪問看護を行う。薬剤師が自宅に薬を届ける「訪問薬局」で、HYUGA PRIMARY CARE<7133.T>も浮上する。
一方、介護者が自宅を離れている時に活用する「見守りサービス」のニーズも増えそうだ。警備会社のALSOK<2331.T>やセコム<9735.T>が同事業を手掛けるほか、人体感知センサーによる見守り支援システムのソルクシーズ<4284.T>もマークしたい。また、エコナビスタ<5585.T>は睡眠解析技術に基づく見守りに強みを持つ。
<ロボットや人材サービスも>
このほか、介護負担を軽減するロボットやIoT(モノのインターネット)技術に絡み、介護用ベッドのフランスベッドホールディングス<7840.T>や移乗サポートロボットのFUJI<6134.T>、ロボットスーツのCYBERDYNE(サイバダイン)<7779.T>なども注目される。
介護分野の人材サービスでは、グッピーズ<5127.T>やエス・エム・エス(SMS)<2175.T>、マッチングのブティックス<9272.T>などが狙い目だ。
提供:ウエルスアドバイザー社