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2024-05-02 10:00:00.0
2024-05-02 10:00:00.0
酸化チタン大手の堺化学工業<4078.T>は、チタン酸バリウム(BaTiO3)を手掛ける。BaTiO3は電子部品のMLCC(積層セラミックコンデンサー)基材として知られ、足元の輸出回復が好材料視されそうだ。
財務省の貿易統計によれば、MLCCを含む「セラミックコンデンサー・多層」の輸出額は昨年11月に13カ月ぶりに前年同月比で増加に転じ、2、3月はいずれも3割超の伸びを示した。MLCCは電流を一時的に蓄え放出する役割を担い、スマートフォンやパソコンなどに搭載されている。在庫調整の一巡感が強まり、今後の回復継続が期待される。
MLCC向けにBaTiO3を供給する堺化学は、下方修正後の24年3月期の営業利益の見込みが47億円(前期比37%減)。ただ、25年3月期はBaTiO3の需要が持ち直す期待がある上、減価償却負担も軽くなることが予想される。決算は13日に発表する。
株価は足元もみ合い商状だが、下値は上昇する25日移動平均線がしっかりと支えている。PBR(株価純資倍率)は0.4倍前後と極端に低く、業績回復時の見直し余地は大きい。(鈴木草太)
保有期間:3カ月
目標株価:2400円
損切りライン:1900円
◎注目株関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、株式の売買は自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。
提供:ウエルスアドバイザー社
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2024-04-16 16:01:00.0
2024-04-16 16:01:00.0
スマートフォン需要の回復が、関連企業の業績にも反映されつつある。カメラに使われるCMOSイメージセンサーの検査用装置を手掛けるインターアクション<7725.T>は、12日に今5月期の連結業績予想を引き上げた。間もなく発表が本格化する3月決算でも、業況の好転が見込まれる。
<インターアク、韓国サムスンが業績上向く>
スマホ市場はインフレや中国経済の減速、さらには、機種の買い替えサイクルの長期化といった影響で落ち込んだ。昨年の世界の出荷台数は過去10年間で最低水準にとどまった。
ただ、ここへきて先行きに明るさが見え始めた。折り畳みタイプなどの新機種の人気に加え、生成AI(人工知能)を搭載した高級品の登場が起爆剤になる公算。香港系の調査会社の予想では、今年のスマホ出荷台数は前年比3%増に拡大する方向だ。
関連企業の業績も復調してきた。大手の韓国サムスン電子の1〜3月の営業利益(暫定値)は、前年同期比約10倍の6.6兆ウォン(約7400億円)に急回復。半導体市況の回復に加え、新機種を投入したスマホ事業も貢献した。
インターアクの今期の連結営業利益予想は14.7億円(前期比2%増)。従来は10.4億円を計画していたが国内顧客の設備投資が想定以上に好調だ。第3四半期累計(昨年6月〜今年2月)の受注高は、検査用光源装置を含むIoT(モノのインターネット)関連事業が45.2億円(前年同期比2.4倍)となった。
<水晶デバイスで大真空マーク>
スマホ関連ではほかに、電子部品の村田製作所<6981.T>やTDK<6762.T>、太陽誘電<6976.T>、アルプスアルパイン(=アルプスA)<6770.T>や、半導体のソニーグループ<6758.T>、電子材料の日東電工<6988.T>などへの恩恵が期待される。
水晶デバイスも有力だ。大真空<6962.T>は前2024年3月期の連結営業利益が15億円(前々期比64%減)にとどまった見込みだが、スマホ市場が上向くと今期の利益回復に直結する。同社は機種の小型化や高性能化に寄与する次世代製品を開発している。水晶関連にはほかに日本電波工業<6779.T>とリバーエレテック<6666.T>がある。
このほか、電子部品の小型株で、コネクターを得意とするSMK<6798.T>や、プリント基板製造のメイコー<6787.T>、コネクター用部品のエノモト<6928.T>、有機EL材料の保土谷化学工業<4112.T>、電子材料の堺化学工業<4078.T>なども押さえておきたい。
提供:ウエルスアドバイザー社