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2024-04-08 15:59:00.0
2024-04-08 15:59:00.0
クレジットカードの不正利用の被害が後を絶たない。経済産業省はカード会社などと連携して防止策を強化し、使用状況の監視や本人確認の導入を進める見通し。関連銘柄が浮上しそうだ。
<被害額は10年前の5倍に>
日本クレジット協会の調査によると、2023年のクレジットカードの不正利用による被害額は540億円(前年比24%増)に急拡大した。10年前との比較では5倍以上に増加している。不正アクセスなどで盗み出されたカード番号による被害がほとんどだという。
経産省は事態を重くみて、4日には「クレジットカード・セキュリティ官民対策会議」を立ち上げた。会議にはクレカ大手のジェーシービー(東京都港区)やクレディセゾン<8253.T>などが参加。9日に初会合を開く。
同会議では不正利用の状況を共有するとともに、本人確認の仕組みをネット通販の事業者に普及させる方策などを検討する方向だ。
<GMOPG、かっこなど>
GMOペイメントゲートウェイ(GMOPG)<3769.T>は、不正が疑われる取引を検知する際に本人を認証する「EMV3−Dセキュア」の導入を支援する。経産省は24年度末までに同システムの導入を求めている。ソフトバンク<9434.T>の子会社はAI(人工知能)を使った不正検知サービスを展開する。
かっこ<4166.T>は独自の手法で利用状況などから異常をリアルタイムで把握する。また、キャッシュレス決済のトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)<5258.T>は、国際的なセキュリティー基準の認定を取得するなど、対策にいち早く乗り出している。
直近IPO(新規株式公開)銘柄のカウリス<153A.T>(グロース)(情報通信)は、電気料金契約のデータを活用した不正検知サービスを手掛ける。このほか、不正検知エンジンのセカンドサイトアナリティカス(セカサイアナ)<5028.T>、クレカ向けサーバー構築でジィ・シィ企画(GC企画)<4073.T>なども押さえておきたい。
提供:ウエルスアドバイザー社
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2024-03-25 16:03:00.0
2024-03-25 16:03:00.0
「Baas」と呼ばれる、銀行から外部へのクラウドによるサービス提供が浸透しつつある。不動産の東急リバブルは三菱UFJ銀行が提供する資産形成サポートサービスを導入するほか、第一生命保険は住信SBIネット銀行<7163.T>などとネットバンクサービスを拡大する。株式市場でも関連銘柄への注目度が高まりそうだ。
<クラウドで外部提供>
Baasは「Banking as a Service(バンキング・アズ・ア・サービス)」の略称。「預金」「貸出」「為替」といった銀行特有のサービスをクラウドベースで外部の企業に提供するビジネスを指す。利用する企業は銀行とシステムを連携することで、自社サービスに銀行の機能を組み込めるようになる。
東急リバブルは自社のエスクロー(取引の安全性を確保するため、契約当事者の間に第三者が立って決済を代行すること)やAI(人工知能)による査定サービスを、三菱UFJ銀行の提供するスマートフォンアプリと連携した上で、顧客の資産運用を支援する。
第一生命保険も昨年、顧客の資産形成や相続のサポートについて、住信SBI銀の預金などの銀行サービスを利用できる環境を整えた。JR東日本<9020.T>はBaasを活用し、新たな金融デジタルサービス「JRE BANK」に着手した。
<GMOPG、TDCソフトなど>
世界のBaas市場の規模は2029年に147億ドル(約2.2兆円、24年予想比2.8倍)まで拡大すると予想されている。日本でも本格的な普及期を迎えそうだ。
Baas市場の拡大は、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>などのメガバンクや、楽天銀行<5838.T>などのネットバンクに商機が広がりそうだ。導入支援では、GMOペイメントゲートウェイ(GMOPG)<3769.T>が決済インフラの構築やネットワークとの接続サービスを展開する。
また、関連するIT投資も加速する可能性があり、金融分野に強いSI(システムインテグレーター)にもチャンスが拡大する。TDCソフト<4687.T>は、基幹系業務開発に加え、インターネットバンキングシステムの構築やITインフラの運用支援を手掛ける。TIS<3626.T>、アクシス<4012.T>、CIJ<4826.T>なども押さえておきたい。
提供:ウエルスアドバイザー社