日本でデータセンター（ＤＣ）への投資が加速する中、関連企業の業績も上向きつつある。ＤＣの「新大手町サイト」を運営するブロードバンドタワー（＝ＢＢタワー）<3776.T>の今１２月期第１四半期（１−３月）の連結営業損益は黒字に浮上した。関連銘柄への物色の動きが広がりそうだ。

＜ＢＢタワー１−３月黒字化で急騰＞

　生成ＡＩ（人工知能）の普及を見据え、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、グーグル、オラクルといった米系企業が相次いで日本での巨額ＤＣ投資に動いている。アマゾンは２０２７年までに日本でクラウドインフラに２兆２６００億円を投資する。マイクロソフトも日本向けでは過去最大規模の２９億ドル（約４４００億円）を今後２年間で投じる。

　ＤＣ周辺企業の事業環境への追い風が既に業績にも反映され始めている。ＢＢタワーが２日に発表した１−３月の営業損益は０．８億円の黒字（前年同期は０．３億円の赤字）となった。ＤＣのほか、クラウド向けソリューションでも需要を取り込んでいる。７日に株価は急騰し、同業のさくらインターネット<3778.T>にも買いが波及した。
京阪神ビや富士電機など

　京阪神ビルディング<8818.T>は都心部でのＤＣ運用に強みを持ち、大阪ではトップクラスの８棟を保有する。１４日に前３月期決算を発表する。インターネットイニシアティブ（ＩＩＪ）<3774.T>やアイネット<9600.T>、鈴与シンワート<9360.T>などもＤＣを展開する。

　周辺設備では、富士電機<6504.T>がＤＣ用電源や設備の工事や保守を一括で手掛ける。きんでん<1944.T>は、ＤＣにとって致命的な停電を避けるための電気設備に強みを持つ。新日本空調<1952.T>は、サーバーの熱対策の排気製品を展開している。富士古河Ｅ＆Ｃ（ＦＦＥ＆Ｃ）<1775.T>もＤＣ向けネットワーク配線工事で知られる。

提供：ウエルスアドバイザー社