ＩＮＰＥＸ<1605.T>は前週末１０日、ＪＥＲＡ（東京都中央区）との間で、日本国内で排出される二酸化炭素を分離・回収し、オーストラリアへ輸送、地下貯留するに至るまでのＣＣＳバリューチェーン構築に向けた事業の実現可能性について、共同検討の実施に関する合意書を締結したと発表した。

　同社では、世界最大規模の発電事業者であるＪＥＲＡと共同検討を実施することで、グローバルなＣＣＳバリューチェーンの構築、さらにはＣＣＳの活用を通じた脱炭素社会への移行にも寄与できるとしている。

　前週末１０日終値は、前日比５６円高の２４２４円。

提供：ウエルスアドバイザー社

　米大統領選が１１月に迫る中で、トランプ前大統領の返り咲きが現実味を増している。直近では自民党の麻生副総裁をはじめ、各国の要人がトランプ氏に会うなど「もしトラ」を意識した行動が目立つ。株式市場でも関連銘柄が再び注目されそうだ。

＜激戦区で支持率リード＞

　大統領選の共和党候補の指名が確実なトランプ氏の支持率は、直近の一部調査で激戦７州のうちミシガン州を除く６州で現職のバイデン大統領を上回る。また、米政治情報サイトのリアル・クリア・ポリティクスによれば、２３日時点でトランプ支持は４４．８％とバイデン支持（４４．５％）よりも高い。

　こうした中、麻生氏は２３日にニューヨークのトランプタワーを訪ね、トランプ氏と会談した。もしトラに備えた関係強化の布石とみられる動きは他国でもみられ、ハンガリーのオルバン首相や英国のキャメロン外相も「トランプ詣で」を行った。また、サウジアラビアのサルマン皇太子はトランプ氏と電話で会談している。

　トランプ氏の政策をめぐっては、日本でも関連銘柄が折に触れて物色されてきた。大統領選が近づくことで、改めて盛り上がりを見せる可能性がある。

＜関連銘柄をマーク＞

　トランプ氏は中国製品などへの関税の強化を主張するほか、在任中は法人税を引き下げている。このため、米現地法人の収益寄与度が大きい企業には期待感が膨らむ。電炉の大和工業<5444.T>、アルミのＵＡＣＪ<5741.T>、タイヤのブリヂストン<5108.T>、ロープの東京製綱<5981.T>などをマークしたい。

　脱炭素機運の後退に絡んではＩＮＰＥＸ<1605.T>や石油資源開発<1662.T>、住石ホールディングス<1514.T>などが浮上する。また、シェールガスの一大産地「マーセラス・シェール」へのパイプラインの認可を早めることを公約しているため、クレハ<4023.T>やクリヤマホールディングス<3355.T>にも思惑が向かいそうだ。

　移民対策では建機のコマツ<6301.T>や日立建機<6305.T>、ヤマシンフィルタ（＝ヤマシンＦ）<6240.T>などが関連銘柄とされている。また、麻生氏との会談では日本の防衛費増額を評価したと伝わっており、三菱重工業<7011.T>や日本アビオニクス<6946.T>、石川製作所<6208.T>などの防衛関連銘柄も押さえておきたい。

　また、円安・ドル高への不満を示しているため、円高メリット株のニトリホールディングス<9843.T>や神戸物産<3038.T>も注目される。

提供：ウエルスアドバイザー社

　１９日午前１１時５分すぎの日経平均株価は、前日比１１８６円程度安い３万６８９２円前後で推移する。朝方から売りが先行。午前１０時４４分には、同１２５５円２２銭安の３万６８２４円４８銭を付け、２カ月ぶりの水準に下落した。その後も、もみ合いとなっている。ドル・円相場は１ドル＝１５４円１０銭台で、朝方の水準からは円高方向にある。

　日経平均採用銘柄では、値下がり率の上位に、スクリン<7735.T>、レーザーテク<6920.T>、ソシオネクス<6526.T>、ディスコ<6146.T>、東エレク<8035.T>がランクイン。値上がり率上位には、ＩＮＰＥＸ<1605.T>、住友鉱<5713.T>、出光興産<5019.T>、商船三井<9104.T>、アステラス薬<4503.T>が入っている。

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　ＩＮＰＥＸ<1605.T>
　４日続落。米国での週間石油在庫の増加や中東での地政学リスクの後退を受け、原油先物価格が急落した。

　ソフバンＧ<9984.T>
　急落。同社が出資するアーム・ホールディングスの株価下落を嫌気。

　富士フイルム<4901.T>
　反落。前２０２４年３月期の連結営業利益予想を下方修正。新型コロナワクチンのキャンセルフィーが想定を下回った。

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　１８日午前１１時２分すぎの日経平均株価は、前日比１３円程度安い３万７９４８円前後で推移する。朝方から売りが先行。午前９時１４分には、同３１６円８９銭安の３万７６４４円９１銭を付けた。その後は、手がかり材料に乏しいなか、下げ渋る動きにあるようだ。ドル・円相場は１ドル＝１５４円２０銭台で小動き。

　日経平均採用銘柄では、値下がり率の上位に、富士フイルム<4901.T>、ソフバンＧ<9984.T>、ＩＮＰＥＸ<1605.T>、ＩＨＩ<7013.T>、ＴＤＫ<6762.T>がランクイン。値上がり率上位には、住友ファーマ<4506.T>、ＪＡＬ<9201.T>、コンコルディ<7186.T>、アドバンテス<6857.T>、ＤｅＮＡ<2432.T>が入っている。

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