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2024-03-21 16:06:00.0
2024-03-21 16:06:00.0
不動産の売買や賃貸において、建物の省エネ性能を表記する「省エネ性能開示制度」が4月からスタートする。電気やガス料金が高騰する中で省エネは家選びの重要な条件になりつつあり、関連銘柄をマークしておきたい。
<太陽光でサニックス、「ペロブスカイト型」も>
新たに導入される省エネ性能開示制度では、建築の分譲戸建てやマンション、賃貸住宅についてエネルギー消費性能を星の数で表示するほか、断熱性能も7段階に区分される。また、任意項目として年間の光熱費の目安の記載を求める。
こうした開示は「努力義務」となる。電気やガス料金の上昇を背景に、家を住み替える際の光熱費をイメージしやすくするニーズが導入を後押しした格好。新制度には主要な不動産ポータルサイトも深くかかわっており、当初から多くの物件で開示が広がりそうだ。
注目分野は太陽光発電だろう。新制度では、太陽光発電による自家消費分も表記される。また、東京都は来年4月から新築の建物に太陽光パネルの設置を義務付けるほか、蓄電池や断熱窓・ドアなどの取り付けを補助金で支援する。
関連銘柄の1つがサニックス<4651.T>。同社は住宅用ソーラーパネルや蓄電池の設置で大手の位置付け。太陽光発電機器を販売する高島<8007.T>や、パネル製造のAbalance<3856.T>や、省エネマネジメントのグリムス<3150.T>、施工販売でSDSホールディングス<1711.T>なども浮上する。
また、日本初の技術で折り曲げやすい「ペロブスカイト太陽電池」の実用化が視野に入る中で、積水化学工業<4204.T>やカネカ<4118.T>が有力視される。封止技術のフジプレアム<4237.T>やヨウ素を手掛けるK&Oエナジーグループ<1663.T>、伊勢化学工業<4107.T>、製造装置のエヌ・ピー・シー<6255.T>なども外せない。
<スマートメーターの東光高岳、穴株に岡本硝子>
廃熱を有効利用する「コージェネレーションシステム(コージェネ、熱電併給)」や、ヒートポンプによる給湯機・空調システムの普及も進みそうだ。コージェネではダイニチ工業<5951.T>やアイシン<7259.T>、ヒートポンプでダイキン工業<6367.T>や長府製作所<5946.T>、コロナ<5909.T>などに商機が広がる。
電気やガス機器の使用状況を一元管理できるスマートメーター(自動検針システム)も省エネに寄与する。最大手の東光高岳<6617.T>のほか、大崎電気工業<6644.T>、設置・保守のベイシス<4068.T>に注目したい。
断熱ではアルミ建材大手の三協立山<5932.T>やLIXIL<5938.T>、ウレタン断熱材の日本アクア<1429.T>などを押さえたい。
穴株はワイエイシイホールディングス(YACHD)<6298.T>。同社は自動化機器を手掛け、太陽光発電向けではセルのウエハー表面にテクスチャー加工を施す装置の受注拡大が期待される。今3月期はクリーンコンベヤーなど搬送装置が伸長し、連結営業利益30億円(前期の2倍)を計画。2000円台前半でもみ合う株価の上放れに期待が掛かる。
提供:ウエルスアドバイザー社