ファンドレーティング情報
「iTrustインド株式」が50カ月目で初の5ツ星、成長性、収益性などに着目して厳選投資
2025-06-11
ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2025年5月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,445本と前月から11本減少した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,400本あり、その内訳はレーティング新規3本、上昇184本、変わらず3,014本、低下199本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドを取り上げる。なお、運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドについては、該当する3ファンドに5ツ星がなかったため、今回は取り上げない。
「iTrustインド株式」、3年リターンはカテゴリー内上位27%
同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドは34本ある。今回は、ピクテ・ジャパンの「iTrustインド株式」、ニッセイアセットマネジメントの「ニッセイ 新興国テクノロジー関連株式ファンド(資産成長型)」(愛称:エマテック)の2ファンドを取り上げる。
「iTrustインド株式」は前月の4ツ星から上昇し、21年4月の付与開始から50カ月目で初の5ツ星となった。
同ファンドは、中長期的に成長が期待できるインド企業の株式に投資する。成長性、収益性、バリュエーションなどに着目し、最終的に20~40銘柄に厳選して投資する。25年4月末時点で36銘柄を組み入れており、組入比率上位は、商業銀行の『ICICI銀行(ADR)』7.7%と『HDFC銀行』5.7%、ITコンサルティングなどを手掛ける『インフォシス(ADR)』5.5%となっている。
同年5月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は16.90%とカテゴリー「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」平均を1.79%上回り、カテゴリー内上位27%(30本中8位)となっている。
(図表)「iTrustインド株式」のレーティングの推移

※期間:2021年4月~2025年5月
「ニッセイ 新興国テクノロジー関連株式ファンド(資産成長型)」、3年リターンはカテゴリー内上位6%
「ニッセイ 新興国テクノロジー関連株式ファンド(資産成長型)」は前月の4ツ星から上昇し、24年4月の付与開始から14カ月目で初めての5ツ星となった。
同ファンドは、新興国のテクノロジー関連企業の株式に投資する。優れたテクノロジーを有し、高い利益成長と株価上昇が見込まれる銘柄を厳選する。25年4月末時点で23銘柄を組み入れており、組入比率上位銘柄は、南米の大手EC(電子商取引)サービス企業『メルカドリブレ』8.9%、韓国の大手半導体メモリーメーカー『SKハイニックス』8.2%、世界最大の半導体受託製造メーカー『台湾セミコンダクター(TSMC)』7.2%となっている。
同年5月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は21.66%とカテゴリー「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」平均を12.54%上回り、カテゴリー内上位6%(139本中7位)となっている。
ファンドレーティングとは
ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。
注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。