ファンドレーティング情報

「コモンズ 30ファンド」が20カ月ぶりの5ツ星、厳選した30銘柄に長期投資

2024-01-25

2024-01-25

 ウエルスアドバイザーでは毎月、運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2023年12月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,484本と前月から1本減少した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,282本あり、その内訳はレーティング新規9本、上昇165本、変わらず2,950本、低下158本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドの中から注目のファンドを取り上げる。なお、同条件で運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与された新規9ファンドについては、5ツ星を獲得したファンドがなく、4ツ星を獲得した3ファンドについてもインデックスファンド2本、ファンドラップ専用1本であったため、今回は取り上げない。

「コモンズ 30ファンド」、10年トータルリターンはカテゴリー内上位18%

 レーティングが5ツ星に上昇したファンドは23本ある。今回は、コモンズ投信の「コモンズ 30ファンド」と大和アセットマネジメントの「社会課題解決応援ファンド(愛称:笑顔のかけはし)」を取り上げる。両ファンドともに前月の4ツ星から上昇し、「コモンズ 30ファンド」は2022年4月以来20カ月ぶりに、「社会課題解決応援ファンド」はレーティング付与が始まった2021年12月から25カ月目にして初めての5ツ星獲得となった。

 「コモンズ 30ファンド」は実質的に国内外の上場企業を主要投資対象とする。外部環境の変化に強い質の高い30社程度に厳選して、30年目線の長期スパンで投資する。運用報告書(2023年1月18日決算)を見ると、組入30社はすべて国内企業である。2023年12月末時点の組入上位3銘柄は、『ディスコ』5.1%、『味の素』4.6%、『信越化学工業』4.3%となっている。

 同月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は10.06%とカテゴリー「国内大型グロース」平均を1.28%上回り、カテゴリー内上位18%(120本中第21位)となっている。

(図表)「コモンズ 30ファンド」のレーティングの推移

(図表)「コモンズ 30ファンド」のレーティングの推移

※期間:2012年1月〜2023年12月

「社会課題解決応援ファンド」、5年トータルリターンはカテゴリー第2位

 「社会課題解決応援ファンド」は実質的に、国内上場企業の中から「社会が抱える課題」の解決を通じて成長が期待される企業の株式に投資する。2023年12月末時点では200銘柄を組み入れている。組入上位の投資テーマは『働き方改革』30.7%、『気候変動対策』16.1%、『フィジカルインターネット』10.4%など。組入上位銘柄は『Green Earth Institute』4.1%、『プラスアルファ・コンサルティング』4.0%、『エン・ジャパン』3.9%などとなっている。

 同月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は18.02%とカテゴリー「国内小型グロース」平均を10.45%上回り、カテゴリー内上位3%(27本中第2位)となっている。

〜ファンドレーティングとは〜

 ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。

注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。

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