ファンドレーティング情報
「三菱UFJ バリューオープン」が初の5ツ星、割安株価の修正見込む国内企業に投資
2025-03-13
ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2025年2月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,445本と前月から3本増加した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,388本あり、その内訳はレーティング新規11本、上昇265本、変わらず2,855本、低下257本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドを取り上げる。なお、運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与された新規11ファンドについては、5ツ星が1本あったが、ファンドラップ専用ファンドであるため、採り上げない。
「三菱UFJ バリューオープン」、10年トータルリターンはカテゴリー内上位17%
同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドは47本ある。今回は、三菱UFJアセットマネジメントの「三菱UFJ バリューオープン」と、野村アセットマネジメントの「世界好配当株投信(年4回決算型)」を取り上げる。両ファンドともにレーティングは前月の4ツ星から上昇し、現行の評価基準となった2010年7月から176カ月目にして初めての5ツ星となった。
「三菱UFJ バリューオープン」は実質的に、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標から割安感があると判断した国内企業の中から、企業調査・分析を通じて株価修正の確度が高いと見込む企業の株式に投資する。25年2月末時点で47銘柄を組み入れており、組入上位銘柄は、『三菱UFJフィナンシャル・グループ』6.4%、『日立製作所』4.9%、『東京海上ホールディングス』4.2%などとなっている。
同月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は8.91%とカテゴリー「国内大型ブレンド」平均を0.9%上回り、カテゴリー内上位17%(183本中30位)となっている。
(図表)「三菱UFJ バリューオープン」のレーティングの推移

※期間:2010年7月~2025年2月
「世界好配当株投信(年4回決算型)」、10年トータルリターンはカテゴリー内上位21%
「世界好配当株投信(年4回決算型)」は実質的に、日本を含む世界各国の企業の株式に投資する。銘柄選択に当たっては、配当利回りに着目し、企業のファンダメンタルズや事業の継続性などを中心とした判断を加える。
25年1月末時点のポートフォリオの国別配分は、アメリカ64.9%、イギリス6.1%、日本5.7%などとなっており、マザーファンドの配当利回りは2.8%となっている。
同年2月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は10.21%とカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均を2.21%上回り、カテゴリー内上位21%(92本中19位)となっている。
ファンドレーティングとは
ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。
注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。