ファンドレーティング情報

「シンプレクス・ジャパン・バリューアップ・ファンド」が18カ月ぶりの5ツ星、国内の割安銘柄に投資

2024-12-10

 ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2024年11月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,471本と前月から38本増加した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,408本あり、その内訳はレーティング新規23本、上昇192本、変わらず3,006本、低下187本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンド、及び運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドの中から、注目のファンドを取り上げる。

「シンプレクス・ジャパン・バリューアップ・ファンド」、10年トータルリターンはカテゴリー内上位16%

 レーティングが5ツ星に上昇したファンドは29本ある。今回は、シンプレクス・アセット・マネジメントの「シンプレクス・ジャパン・バリューアップ・ファンド」を取り上げる。レーティングは前月の4ツ星から上昇し、2023年5月以来18カ月ぶりの5ツ星となった。

 同ファンドは実質的に、国内の割安銘柄に投資する。キャッシュフローと資産分析から割安と判断した銘柄に投資し、経営者と共に企業価値向上を図る。2024年10月末時点は29銘柄を組み入れており、業種別組入比率上位は、情報・通信17.36%、非鉄金属12.14%、機械10.29%となっている。

 同年11月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は10.42%と、カテゴリー「国内中型バリュー」平均を2.09%上回り、カテゴリー内上位16%(26本中4位)となっている。

(図表)「シンプレクス・ジャパン・バリューアップ・ファンド」のレーティングの推移

折れ線グラフ

※期間:2011年2月~2024年11月

「フィデリティ・世界割安成長株 D(毎月・予想分配・H無)」、3年トータルリターンはカテゴリー内上位20%

 レーティングが初めて付与された23ファンドの中で5ツ星を獲得したファンド1本あったが、ファンドラップ専用であるため取り上げない。今回は4ツ星を獲得した5本の中から、フィデリティ投信の「フィデリティ・世界割安成長株投信Dコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)(愛称:テンバガー・ハンター)」(=フィデリティ・世界割安成長株 D(毎月・予想分配・H無))を取り上げる。

 同ファンドは実質的に、日本を含む世界の企業の中から、事業の持続的な成長性・競争優位性・株価の割安度に着目して選択した企業の株式に投資する。

 2024年10月末時点は552銘柄を組み入れており、国・地域別組入比率上位は、米国49.2%、日本8.8%、イギリス7.9%、業種別組入比率上位は、金融19.1%、資本財・サービス18.0%、一般消費財・サービス15.4%となっている。

 同年11月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は17.06%とカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均を6.38%上回り、カテゴリー内上位20%(304本中60位)となっている。

ファンドレーティングとは

 ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。

注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。

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