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やさしい株式投資の話


第6章 株価はどうして変動するの?

 株価はつねに変動しています。この要因にはいろいろありますが、大きくは株式市場の外部要因と内部要因に分けられます。

 外部要因は会社の業績、政治・経済動向、金利、外国為替市場、国際商品市場、社会のブームや流行、社会の年齢構成、市場テーマなどです。

 個別の企業の株価を左右するもっとも大きな要因は会社の業績です。業績がよければ株価が上昇し、悪化すれば下落する。ごく単純な反応にも思えます。しかし、業績が傾向的に上向いているのか、一過性のものなのかといった判断が必要になります。とくに、株式市場ではつねに先を読むという傾向が強く、終わった決算よりも先行きの見通しが重要視されるケースが多いことは押さえておきたいポイントです。

 また、国内外の政治や経済動向、金融政策、さらに円安か円高かといった為替の動き、金や原油の市況も相場全体やこれに関連する個別銘柄の株価の動きに影響を与えます。

 その時々の社会のブーム、市場テーマも株価の変動要因として話題となります。例えば2020年に開催が決定した東京五輪。競技会場の建設をはじめ、首都圏の道路や鉄道といったインフラ整備が進められますが、これに絡んだ建設関連の企業や再開発地域の周辺に土地をもつ企業の株価が折に触れ動いたりするのはその典型です。リニア新幹線関連、レジャー関連、再生医療関連、さらに夏場のサマーストックなどテーマの切り口は様々です。

 一方、内部要因としては株式の需給関係が大きな部分を占めます。東京株式市場の売買の6割は外国人投資家が占めており、まさにメーンプレーヤーとなっています。この外国人投資家がどう動くのかが株価を左右する大きな要因といっていいでしょう。外国人投資家の中には、ヘッジファンドと呼ばれる機動的な投資家もいます。投資手法としては先物・オプションといった派生商品を用い、為替や債券との仕組み商いを多用するファンドもあります。「円売り・日本株買い」といった商品の組み合わせ商いも市場の話題となるケースが増えています。

 また、最近ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に代表される国内の年金の動向も注目を集めています。どういった投資主体が日本株を売買しているのか。東京証券取引所が週一回公表している「投資部門別売買状況」などでチェックすることが可能です。

 需給関係では信用取引の状況も重要です。手元に投資資金が十分にない場合、資金を借りて株を買うのが「信用買い」。逆に手元に株券がない場合、株券を借りて売り建てておくのが「信用売り」。いずれも、借りてきたものはいつか返済しなければなりませんから、信用の買いは将来の売り要因、信用の売りは買戻し要因となります。信用取引で自分の思惑と逆に株が動いた場合、上がると思って買ったものの、意に反して下落してしまった場合など、ある一定の水準以上に下がると追加の担保を差し入れなければならず、損を覚悟で投げ売りするといったケースもあります。特段の材料が出ていないにも関わらず、株価が大きく動いた場合など信用取引の動向が関係しているケースもありますから注意が必要です。

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