2024-02-20
ウエルスアドバイザーでは毎月、原則として運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2024年1月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,487本と前月から3本増加した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件)は3,306本あり、その内訳はレーティング新規27本(※うち8本は再付与)、上昇167本、変わらず2,914本、低下198本となった。以下、同条件でレーティングが5ツ星に上昇したファンドの中から注目のファンドを取り上げる。なお、新規27ファンドのうち、運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドは、再付与の8本を除く19ファンドあった。このうち5ツ星を獲得したファンドは1本あったが、インデックスファンドであるため、今回は取り上げない。
※ファンドが10本未満のカテゴリーにはレーティングを付与していない。今回「国内小型バリュー」が10本となりレーティングが改めて付与され、うち8本が同条件に該当した。
レーティングが5ツ星に上昇したファンドは33本ある。今回は、スパークス・アセット・マネジメントの「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘)」と三井住友DSアセットマネジメントの「三井住友・中小型株ファンド」を取り上げる。「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」は前月の3ツ星から2段階上昇して2022年6月以来19カ月ぶりに5ツ星を獲得。「三井住友・中小型株ファンド」は前月の4ツ星から上昇し、2023年6月以来7カ月ぶりに5ツ星を獲得した。
「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」は実質的に、国内上場の超小型株式(時価総額下位2%以下)を主要投資対象とするアクティブファンド。経営者の質、企業収益の質、市場の成長性という3つの着眼点から企業の実態価値を計測し、市場価値(株価)との差を考慮して銘柄を選定する。2024年1月末時点の組入銘柄は79銘柄で、組入上位銘柄は『オカダアイヨン』1.8%、『ナカノフドー建設』1.6%、『メディカルシステムネットワーク』1.6%などとなっている。
同月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は12.18%とカテゴリー「国内小型ブレンド」平均を2.99%上回り、カテゴリー9本中第2位となっている。
(図表)「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」のレーティングの推移
※期間:2018年9月~2024年1月
「三井住友・中小型株ファンド」は、国内上場の中小型株式を主要投資対象とするアクティブファンド。企業調査・分析などを通じて算出した目標株価水準に対して実際の株価が割安と判断した企業の株式に、中長期的なスタンスで投資する。2024年1月末時点の組入銘柄数は94銘柄で、組入上位銘柄は『メイテックグループホールディングス』1.6%、『セーレン』1.6%、『ベルシステム24ホールディングス』1.6%などとなっている。
同月末時点の過去10年間のトータルリターン(年率)は13.31%とカテゴリー「国内小型グロース」平均を3.94%上回り、カテゴリー内上位13%(47本中第6位)となっている。
ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。
注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。