ファンドレーティング情報

「日経平均高配当利回り株ファンド」が初の5ツ星、日経平均採用銘柄の中から予想配当利回り上位30銘柄に投資

2023-08-17

 ウエルスアドバイザーでは毎月、運用実績3年以上の国内公募追加型株式投信を対象にファンドレーティングを付与している。2023年7月末時点でレーティング付与対象ファンドは4,546本と前月から9本減少した。このうち同月末時点において純資産残高が10億円以上、かつ前月とカテゴリーが同一のファンド(以下、同条件ファンド)は3,257本あり、その内訳はレーティング新規16本、上昇191本、変わらず2,878本、低下172本となった。以下、同条件ファンドの中からレーティングが5ツ星に上昇したファンド、及び同条件ファンドで運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドの中から、注目のファンドを取り上げる。

「日経平均高配当利回り株ファンド」、3年トータルリターンはカテゴリー内上位11%

 同条件ファンドの中でレーティングが5ツ星に上昇したファンドは46本ある。今回は、三菱UFJ国際投信の「日経平均高配当利回り株ファンド」を取り上げたい。レーティングは前月の4ツ星から上昇して2021年11月のレーティング付与から21カ月目で初の5ツ星獲得となった。

 同ファンドは、日経平均株価採用銘柄の中から予想配当利回り上位30銘柄に投資する。組入比率は流動性を踏まえて決定する。原則として6、12月に組入銘柄の入替えと組入比率の調整を行う。2023年7月末時点のポートフォリオの予想配当利回りは4.3%。組入業種上位は「銀行」24.8%、「鉄鋼」13.5%、「海運」13.2%となっており、組入銘柄上位は『川崎汽船』7.2%(予想配当利回り4.7%)、『三菱UFJフィナンシャル・グループ』6.3%(同3.6%)、『三井住友フィナンシャルグループ』6.2%(同3.7%)となっている。

 同月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は34.15%とカテゴリー「国内大型バリュー」平均を9.24%上回り、カテゴリー内上位11%(86本中9位)となっている。

(図表)「日経平均高配当利回り株ファンド」のレーティングの推移

(図表)「日経平均高配当利回り株ファンド」のレーティングの推移

※期間:2021年11月~2023年7月

「モルガン・スタンレーUSハイイールド債券ファンド(年1回決算型)(為替ヘッジなし)」は新規付与で4ツ星獲得

 同条件ファンドで運用開始から3年が経過してレーティングが初めて付与されたファンドは16本あるが、5ツ星を獲得したファンドはなかった。今回は4ツ星を獲得した6本の中から、アセットマネジメントOneの「モルガン・スタンレーUSハイイールド債券ファンド(年1回決算型)(為替ヘッジなし)」を取り上げたい。

 同ファンドは外国籍ファンドへの投資を通じて、実質的に米ドル建ての短期ハイイールド債券に投資する。外国籍ファンドの運用は、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが行う。2023年6月末時点の外国籍ファンドのポートフォリオを見ると、平均最終利回り9.0%、平均格付B+、デュレーション2.36年となっている。

 同年7月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)は11.95%とカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」平均を1.64%上回り、カテゴリー内上位35%(193本中67位)となっている。

ファンドレーティングとは

 ウエルスアドバイザーでは、3年以上の運用実績を有するファンド(注1)に対して、定量データに基づき5段階のファンドレーティングを付与している。具体的には、あるファンドが同じカテゴリー(「国内大型ブレンド」など)に属するファンド群と比較して、運用効率(シャープレシオ:注2)が高ければ星の数が多くなる仕組みで、最上位は5ツ星である。レーティングは、直近3年間、5年間、10年間のほか、それらのより長期のレーティングが重視されるよう加重平均した「総合」を公表している。

注1:国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等を含む)が対象。
注2:リスク調整後のリターンを計る指標。2つのファンドが同じリターンであれば、リスク(リターンのブレ幅)が小さい方がシャープレシオの値が高くなる。同様に、同じリスク(〃)であれば、リターンが高い方がシャープレシオの値が高くなる。厳密には、弊社が独自に算出する「カテゴリー内リターン」と「カテゴリー内リスク」によってリスク調整後のリターンのスコアを測定し、レーティングを付与している。

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