特別対談 激動の世界市場!株式市場の今後と日本企業の行方とは?コムジェストが語る日本株投資戦略に迫る 特別対談 激動の世界市場!株式市場の今後と日本企業の行方とは?コムジェストが語る日本株投資戦略に迫る

掲載期間:2025年9月1日~2025年12月1日

2025年は日本における参議院選挙、米国トランプ大統領による関税問題、世界的なインフレの浸透など、年前半より国内外の動向は大きな転換点を迎えた年となっている。一方で日経平均、NASDAQ、S&P500等が最高値を更新するなど市場動向はます目が離せない状況となってきた。今回は世界各所の目線から日本株運用に注力をしているコムジェスト・アセットマネジメント株式会社の高橋庸介氏に、足元の市場動向および今後について、また、そこから考える今後の日本株投資戦略についてウエルスアドバイザー朝倉が話を聞いた。

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高値更新を続ける世界市場、インフレ浸透に伴う企業や個人の変化

朝倉:
日経平均が43,000円も超えて、世界の株式も全体として上昇していますが、現状の株式市場の強い動きについてはどのように見られていますか。
高橋氏:
まず、日経平均、TOPIXの水準ともにかなり強いですが、日本企業の実力相応の株価水準だと見ています。年初からトランプ関税に振り回されてきましたが、蓋を開けてみたら大きな影響はなかったこと、そのため、ようやくその実力相応の数字になってきているという見方です。
朝倉:
関税の影響が出るのはまだこれからということもありますが、先を見通すのが株式市場ということで、その不透明感がある程度なくなったということも大きいでしょうか。
高橋氏:
そうですね。株式市場は不透明感を一番嫌うということで、それがはっきりしたということが大きいと思います。
朝倉:
なるほど。おそらく投資家の方は、この株高に非常に湧き上がっていると思うのですが、新NISAが昨年から始まり2年目を迎えたところで、そうは言っても、個人投資家においてはそれほど恩恵を受けられないのではないかという意見もあるのですが、どう思われますか。
高橋氏:
先ほど日経平均等が実力水準というお話をしましたけれど、ただ、スピードが少し速かったかなと思っています。特に直近は上昇がかなり速いので、秋口から年内ぐらいには調整の可能性は十分にあると見ています。そして、先ほどの新NISAですよね。例えば2024年8月5日や、2025年4月2日、その他関税ショック等、そのようなところでせっかく始めたNISAをやめてしまうという、そういう残念なケースを聞いております。今後ある程度の下げが来た時に、是非、そこは耐えていただきたいなと考えております。
朝倉:
そうですね。元々NISAは長期投資の名の元に制度が作られたわけですので、一度のショックでやめてしまうのは大変残念であり、投資を教育していくということもやはり必要になってくるのでしょうね。
高橋 庸介氏

コムジェスト・アセットマネジメント株式会社
代表取締役社長
高橋 庸介

高橋氏:
特に最近では、私はインフレの話をよくさせていただくのですが、ある程度鋭敏な方は気づき始めていると思います。ただ、残念ながらまだ大半の方はインフレという言葉は知っていても、それが腹に落ちてないのではないかと思います。例えば2022年から3年~4年、また、今年の前半で見ると、インフレ率は11%~12%ぐらいという数字が出ているのですね。ということは、3年前に銀行預金100万円を入れていた方は、実質的には90万円ぐらいの評価に目減りをしているということです。それに気がついている方は何か対策を取らないとならないということでお考えかと思いますが、まだまだ少数ではないかと思います。
朝倉:
高橋社長は地方訪問し、セミナーを直接個人投資家向けに実施されていらっしゃいますが、今おっしゃったことは肌で感じますか?
高橋氏:
セミナーなどで話をさせていただくこと、気づかれる方はだんだん増えていますね。ただ、具体的にインフレ対策としては何すればいいのかということはよく聞かれます。
朝倉:
ようやく金利がつく世界になってきて、預金金利は上がってきましたが、どこの銀行が預金金利が高いかということが比較対象となっていますが、例えその高い金利で預金をされても、実際にはインフレ率に負けているということはまだ気がづかれていない方もいらっしゃると思います。
高橋氏:
我々の投資先で言うと、日清食品さんはおおよそ5%~10%商品の値上げをしていますし、味の素さんも年初に一部の商品を1割ぐらいの値上げをしています。実際に周りを見渡したら、インフレは確実に進んでいます。
朝倉:
企業側としては価格を上げることによって収益が上がるということもあり、企業側としては潤ってきますが、消費者・投資家の方にも何かしら享受をしてもらいたいですよね。
高橋氏:
個人投資家のみなさまにも、是非、インフレに勝つ、自分の資産を守る、そのような視点を持っていただきたいですし、我々ファンドマネージャーというのはインフレに勝てる会社に投資をしています。先ほどの味の素さんや日清食品さんなど、値上げをできる会社、価格決定力を持っている会社に投資させていただきたいと思っています。
朝倉 智也

ウエルスアドバイザー株式会社
代表取締役社長
朝倉 智也

朝倉:
いかに投資がこれから重要になってくるかということですね。そうは言うものの、世界を見渡すとトランプ氏による様々な仕掛けから世界が色々動いているということもあり、ファンダメンタルズから見るとそんなに良い指標が出ているわけでもないですよね。でも、先ほどのお話の通り、日本株、米国株、そして中国株も含め、景気がいいとは言えずとも株価が上がっているということで、世界株の現状についてはどう見られていますか。
高橋氏:
そうですね、世界株についてもそれぞれのマーケットの要因があるので、あまり一つの視点で語ると方向性が間違ってしまうリスクはあると思っています。不透明・不安定な時代として、よくセミナーでもVUCA(ブーカ)※の時代に我々の資産運用をどうしたらいいんでしょうかというご相談をいただきます。私はいつも人類の歴史はずっとVUCAですよと答えています。その波は大波小波とありますが、いつの時代も必ず変動していて、不確実で、複雑で、曖昧な状況である。そのため、決して今に始まったことじゃないということです。ですから個々のマーケットをしっかりと見ていかないといけないという考えを持っています。個々のマーケット、そして個々の企業ですね。

※VUCA(ブーカ)…変動性 (Volatility)、不確実性 (Uncertainty)、複雑性 (Complexity)、曖昧性 (Ambiguity) の頭文字を取った言葉で、現代社会の予測困難な状況を表す用語

コムジェストの役割と市場に対するアプローチ手法

朝倉:
日本株全体、米国全体で言うと、マーケット全体としてインデックスファンドを買えばいいじゃないかという発想がここ数十年ぐらいで浸透し、市場も台頭してきました。投資の世界で言うとアクティブからパッシブ(インデックス)へというような動きでしたけど、個々のマーケット、個々の企業ということであれば、アクティブファンドとしての選別が重要となりますね。パッシブファンド(インデックス)に対してのアクティブファンドの有用性について、その中でも高橋社長の会社としての差別化、有効性というのをお話いただきたいと思います。
高橋氏:
まず、インフレという視点で考えると、キャッシュ(現金)が最悪の選択肢となりますよね。キャッシュを持つということであればインデックスファンドも大変望ましい投資先になると思います。そのような意味では、特に初心者の方にはフル活用していただきたいです。さらに投資に踏み込んで、ある程度経験を積まれていった方には良いアクティブを選択していただきたいです。先ほどインフレの時代は価格決定力を持っている企業を選別しないといけないとお話しましたが、ウォーレン・バフェット氏がよく使われる言葉で、「潮が満ちている時は誰が裸で泳いでいるか分からないが、潮が引けば誰が裸で泳いでいたか分かる」というお話があります。要は「裸で泳いでいる人」というのはダメな企業として考えられます。インフレになってくると、ダメな企業はどんどん劣後していくのですよね。要は価格を上げることができないので、競争力がなくなり売上が減っていきます。さらにはコストだけが上がっていくため利益も減っていきます。今までは、逆にデフレの時代だったことでダメな企業が満ち潮で隠されてたということですね。
これからインフレで潮が引いてきます。この時、運用の視点から大事なポイントというのは競争力ですね。我々で言うと、参入障壁という言葉をよく使いますが、例えばブランドとか特許など、いかに強い参入障壁を持っているかということを見ます。それが中長期的な成長につながっていくのですよね。例えば投資先で言うと、シスメックスさんという神戸にある血液検査機器の会社に我々は2002年からずっと投資させていただいています。極めて競争力が高く、要は他社が提供できない機械をリーズナブルな値段で病院に提供できているので、我々としても2桁の利益成長を見ています。また、村田製作所やキーエンスなど、要は先ほど申した、どんな不安定な時代・不透明な時代でも、しっかりと着実に成長ができる企業、競争力のある企業を選ぶことが大変重要になってくると思います。インデックスファンドは悪くないですが、劣敗の会社も残念ながら多分に含まれています。これがインデックスファンドとなります。そのため、それをしっかりと取り除き成長できる会社に絞ったアクティブファンドというのは投資家のパフォーマンスを上げていく上で有効なツールだという風に見ています。
対談風景
朝倉:
今の市場動向とこれからの環境変化においては、まさに高橋社長おっしゃったようなアクティブの優位性がすごく出てくるような感じはしますね。米国を見てもS&P500の中で収益を上げている会社のほとんどがテック関係の会社で、それ以外のセクターっていうのはこの2、3年余り、収益が上がってない銘柄もあります。要はこの上位トップ10等が市場を引っ張っていったことによってインデックスファンドが上がったということなので、もしもこの上位トップ10の会社のどこかの成長性が鈍化した場合というのは一気に崩れる可能性もありますね。そのようにならないよう、しっかりと銘柄を選んで投資しているということなんですよね。
新NISA2年目で、まだNISAを始められてない方も、すでに昨年から始められている方も、もうインフレについては肌で感覚を感じていると思いますので、全ての投資家に対してのメッセージをお願いできればと思います。
高橋氏:
インフレというのがキーワードになるということを話しましたが、もう1つ見ていただきたいポイントは地政学です。地政学リスクという言葉が最近よく使われます。今何が起こっているかというと、例えば、中国という安全保障のリスクに対し、米国が企業と工場を引き上げる等ですね。あと投資先としても中国を減少させている。これはもう現実としてあります。そして我々のような海外の投資家はやはりそのような要因とインフレ要因もしっかり見ますし、その他、海外の機関投資家の資金がどこにシフトするのかも見ています。グレートローテーションは通常、債券から株式であるとか、株式から債券へというシフトを意味しますが、私は勝手に地政学的グレートローテーションという言葉を使用しています。中国から欧州、そしておそらくその次に日本。日本はこれまでずっとデフレでした。株価というような名目の世界においてはデフレだと株価は成長しない。それが過去20~25年の日本株の低迷の主な要因の一つでしたが、もう明確にインフレの時代となりました。地政学的にはこれから中国から日本に資金がシフトしてくると思います。そこに合わせてしっかりと東京証券取引所のガバナンス改革も着実に進んでいます。まだまだスタートしたばかりですが、目に見える形で着実に進み始めていて、そのような観点から私としては日本の企業への投資、これは長期的な視点で大変に有望だと考えています。日本企業でそれもダメな会社ではなく、力強く高い参入障壁を持って持続的に成長できる会社に投資の視点を移していただきたいという風に考えています。
朝倉:
楽しみですね。地政学的グレートローテーション。企業選別による日本株投資はコムジェストの強みだと思いますので、引き続き頑張っていただければと思います。ありがとうございました。
対談風景
コムジェスト・アセットマネジメント

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