掲載期間:2023年7月3日~2023年8月2日
ソルクシーズ<4284>は金融業界に強みを持つSI(システム構築)業者で、ソフトウェア開発事業などを手掛けている。2023年2月に設立42周年を迎えた。2023年12月期の第1四半期決算は連結売上高38.1億円(前年同期比14.2%増)、経常利益3.4億円(同50.5%増)と好調。3月31日付で新たに秋山博紀代表取締役社長が就任した。同社の今後の事業環境や見通しについて、秋山新社長と、ウエルスアドバイザーの代表取締役社長の朝倉智也が対談した。
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- 朝倉:
- 社長就任、おめでとうございます。
- 秋山氏:
- ありがとうございます。
- 朝倉:
- まずは御社の事業の紹介をお願いします。
- 秋山氏:
- ソルクシーズ本体は81年2月に設立されました。設立当初からソフトウェア開発事業を展開し、当初は金融系のお客さまが中心でしたが、最近では産業系にも力を入れています。本体のほか、グループ会社が11社あり、グループ全体でDXを推進できる体制を構築しています。
グループ会社の役割
- 朝倉:
- コロナ禍で一気にDXが進展し、より強固なビジネスが展開できるようになったのではないでしょうか。経営戦略についてお聞かせください。
- 秋山氏:
- 経営戦略は3つあります。1つ目は本体とグループ11社が専門店化することです。業種、業務を特化して、そこでオンリーワンになることを目指しています。2つ目は事業構造の改革で、主力のソフトウェア開発事業に加えて、ソリューション事業のストック型ビジネスを第2の事業の柱にしようとしています。SIビジネスとストック型ビジネスで、利益ベースでは50対50にすることを目標としています。3つ目がグローバル展開です。従来は中国を中心に考えていましたが、今は『ASEAN+3』と考えています。現在、グループ会社のノイマンがベトナムの自動車教習所に対し、ソリューションを展開しようとしています。
株式会社ソルクシーズ
代表取締役社長
秋山 博紀氏
成長戦略
- 朝倉:
- 新経営戦略を推進していく中で、御社の強みは何ですか。
- 秋山氏:
- SIビジネスを土台に、FinTech、Cloud、IoT、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)、AIの5分野で、いずれも事業を成功させていることです。
- 既に事業として展開していることが、あとからFinTechと呼ばれるようになるなど、当社が先行してきた分野もあります。こうした5分野でお客さまに最適なソリューションを提供しながら、成長を図っています。
注力分野
- 朝倉:
- 23年12月期の第1四半期決算は好調でした。ソフトウェア開発、コンサルティング、ソリューションの3事業とも伸びています。
- 秋山氏:
- DX進展が追い風になり、ICT投資への投資意欲が順調ということが背景にあります。この第1四半期には、証券にようやくシステム更改という話が出始め、新しいサービスの導入も始まりました。ソフトウェア開発事業は堅調で、今後も伸びるでしょう。また、ソリューション事業の伸びしろは非常に大きく、コンサルティング事業もいずれついてくるはずです。こうしたことから、第1四半期としては過去最高の売上高、利益を達成しました。
2023年12月期第1四半期 連結業績サマリー
- DX推進に伴う旺盛なIT需要に加え、外部環境の向かい風も落ち着き、前年同期より大幅な増収増益
- 単価向上や直接顧客(元請け)比率の向上などにより各利益は過去最高を更新、利益率も回復基調
ウエルスアドバイザー株式会社
代表取締役社長
朝倉 智也
- 朝倉:
- 2025年12月期を最終年度とした中期経営計画では、売上高180億円(23年12月期予想162億円)、経常利益18.5億円(同12.5億円)を目標にしています。経常利益率目標が10.3%(同7.7%)と高くなっていますね。
- 秋山氏:
- ソリューション事業の中のCloudが来期、黒字化する計画です。その後、黒字幅が広がり、利益貢献が大きくなっていきます。ソリューション事業はソフトウェア開発事業より利益率が高く、黒字幅の拡大は大きな影響があります。25年には利益率が2桁になり、過去最高益をどんどん更新できる水準になりますから、3年後、4年後、5年後はもっとカーブが上がっていくかなと思っています。
2023年12月期第1四半期 連結業績サマリー
- クレジットを含む金融分野の開発ニーズは中長期にわたり堅調を見込む
- 売上高、経常利益ともに過去最高値を毎期更新する予定
- ストック型ビジネスの拡大や収益性向上により、利益および利益率は高い伸びを見込む
- 朝倉:
- 楽しみですね。グループ会社11社のうち、ソリューション事業で特徴的な会社はありますか。
- 秋山氏:
- ソリューション事業にはノイマン、Fleekdrive、イー・アイ・ソル、eekの4社があり、今、特に注目されているのはeekです。eスポーツを手掛けている会社です。
- 朝倉:
- eスポーツ。また新しいジャンルですね。
- 秋山氏:
- eスポーツは政府が人材育成を推進し、オリンピックに採用されるという話もあります。こうしたことが追い風になって、eekの業績はこれから上がっていくだろうと思います。
- 朝倉:
- Cloud、FinTech、CASE、IoT、AIは成長性の高い領域ですが、eスポーツもそうですね。
- 秋山氏:
- 第6の分野として期待しています。
ソルクシーズグループ会社
- 朝倉:
- 投資家の方は御社がSIの会社というイメージを持っていると思いますが、現在では違いますね。
- 秋山氏:
- SIは大事ですが、それはベースです。その上でさまざまな分野の事業を展開していて、それもすべて魅力的と思っていただけると、今後の成長にも期待していただけると思います。
- 朝倉:
- 確かにSIのベースがあるからこそ、FinTechやCloudなどのビジネスができるのであって、いきなり「うちはFinTechをやるぞ」と言っても、なかなかできることではないですね。新社長になって、ますますそういった動きは加速していくのでしょうか。
- 秋山氏:
- そうですね。成長加速を目指したいと思います。
- 朝倉:
- 最後に投資家の方にメッセージをお願いします。
- 秋山氏:
- 今は世界で生成AIがすごくはやっている状況にあり、いったんは死語になった『シンギュラリティ』に突き進んでいるのではないかなと感じています。当社はこうした大きな変化に向けて、果敢にチャレンジをしていきたいと思っています。そして、あらゆるステークホルダーの皆さまから、ソルクシーズを選んで良かったなと言われるような会社になりたいとも思っています。
- 朝倉:
- ありがとうございました。