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<新興国eye>トルコ5月CPI、前年比39.59%上昇に減速―1年5カ月ぶりに40%下回る(2)
2023/06/08 09:57

(1)からつづく
セクター別(前月比)では、天然ガス料金を含む住宅(光熱費や修理費)が13.79%低下(4月は1.47%低下)と、急減速した。対照的に、アパレル・靴は9.85%上昇と、最も高く、次いでホテル・カフェ・レストランが7.10%上昇、教育が5.14%上昇、レクリエーション・文化は3.62%上昇、運輸は1.88%上昇、ヘルス(薬局・美容)は1.80%上昇、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは1.76%上昇、通信は1.72%上昇、家具・生活用品は0.99%上昇、食品・清涼飲料水は0.71%上昇、アルコール飲料・たばこは0.28%上昇となった。
他方、全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)は前年比46.62%上昇と、4月の同45.48%上昇から伸びが加速、3月(47.36%)上昇以来の高い伸びに戻った。
セクター別の前年比(全体指数)は、アパレル・靴が19.49%上昇(前月は13.82%上昇)と、最も低い伸びとなったが、次いで、天然ガス料金を含む住宅が20.73%上昇(同43.18%上昇)と、前月の半分の伸びに急減速した。
対照的に、ホテル・カフェ・レストランが68.98%上昇(同66.41%上昇)と、最も高い伸びとなった。次いで、ヘルスが66.93%上昇(同66.62%上昇)、食品・清涼飲料水が52.52%上昇(同53.92%上昇)、教育は50.86%上昇(同44.07%上昇)、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは46.09%上昇(同47.95%上昇)、家具・生活用品は45.13%上昇(同48.4%上昇)、レクリエーション・文化は42.89%上昇(同46.38%上昇)となり、全体の伸び(39.59%上昇)を上回った。このほか、通信は36.69%上昇(同36.38%上昇)、アルコール飲料・たばこは30.1%上昇(同38.21%上昇)、運輸は23.68%上昇(同25.56%上昇)。
市場では今後のインフレ率はベース効果により、前年比で伸びが減速し続けると見ている。また、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領が再選(3期目)され、財務相もヌーレッディン・ネバティ氏から市場の信頼が厚いメフメト・シムセク氏(元財務相・副首相)に交代したことを受け、今後数カ月で利上げを含む正統派の金融政策に転換する可能性があると見ている。しかし、エルドアン大統領の下でインフレ抑制に効果がある金融引き締めがどの程度進むかは不透明で、インフレの高止まりが続く可能性があると懸念している。
ちなみに、中銀が5月4日に発表した最新の四半期インフレ報告書では23年末時点の見通しは22.3%上昇、24年末時点は8.8%上昇、25年末時点は5.0%上昇を予想、前回予想(1月26日)を据え置いている。また、政府が22年9月に発表した新中期3カ年経済計画では23年末時点は24.9%上昇、24年末時点は13.8%上昇、25年末時点は9.9%上昇を予想している。
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