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今年3月新規設定ファンドがトップ10入り、新しい定番になるか?=ネット証券の投信積立契約件数ランキング23年4月

2023/05/08 16:36

 大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2023年4月のトップは前月と同様に同ポイントで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」になり、第3位も「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」で、トップ3は同じ結果だった。ただ、第9位に「<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」、第10位に「iFreeNEXT インド株インデックス」という2023年3月に新規設定されたファンドがランクインした。新しい運用ニーズに応えた商品だが、今後、安定的にトップ10圏内に入り、市場に定着していくのか注目したい。

 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

 「<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」は、ニッセイアセットマネジメントが提供する低コストのインデックスファンドシリーズ「<購入・換金手数料なし>」シリーズの19本目の新ファンド。2023年3月31日に設定した。米国の「NASDAQ100指数(配当込み、円ベース)」に連動することをめざすインデックスファンド中では、信託報酬率が最低水準になる年0.2035%(税込み)としている。従来の公募ファンドでは「PayPay投信 NASDAQ100インデックス」の年0.418%(同)が最低水準であったため、それを大幅に下回る水準を実現している。

 米国でハイテク株バブルといわれてもおかしくないほど2021年12月にかけて「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の進展を背景としたハイテク株の大幅上昇があり、その反動で2022年はNASDAQ総合指数で33.10%安と急落した。2023年に入ってNASDAQ総合指数は年初から16%程度の値上がりと戻り歩調にあるが、主要企業の決算内容によって市場が大きく揺れるなど不安定な状態が続いている。NASDAQ市場は、ハイテク企業やIT(情報技術)関連の企業など新興企業が占める割合も多く、新興企業向け株式市場としての特徴がある。それだけに、イノベーション(技術革新)の流れに左右されやすく、「DX」についても敏感に反応した。「NASDAQ100」は、NASDAQ上場企業のうち時価総額上位の100銘柄を指数化したもので、GAFAMやテスラ、NVIDIA、Netflixなど米国を代表するハイテク企業で構成されている。10年、20年という長期投資で「S&P500」や「NYダウ」など伝統的な株式市場であるNY証券取引所上場銘柄も含めた米国株指数を上回るパフォーマンスを残してきた実績があり、長期的なつみたて投資対象として注目されている。

 また、「<購入・換金手数料なし>」シリーズでは、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が前月の第10位から今月は第6位にジャンプアップした。同ファンドが連動をめざす「MSCI−KOKUSAI」(先進国株式除く日本)に連動するファンドは、2023年4月に「たわらノーロード 先進国株式」が信託報酬率を年0.9889%(税込み)として最低水準としたが、それまでは「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の年0.1023%(同)が最も低い水準だった。0.10%も0.99%もコスト負担としては、実質的な差は僅かであり、改めて注目が高まったのかもしれない。

 「iFreeNEXT インド株インデックス」は、インドを代表する株価指数の1つである「Nifty50(配当込み、円ベース)」に連動するインデックスファンド。2023年3月13日に新規設定された。信託報酬率は年0.781%(税込み)。インド株式を主たる投資対象とした公募ファンド(DC(確定拠出年金)・SMA(ラップ口座)専用除く)は、現在33本あるが、これまで最も低い水準の信託報酬率はアクティブファンドの「iTrustインド株式」の年0.9828%(税込み)だった。「iFreeNEXT インド株インデックス」は、インデックスファンドながらインド株式に投資する公募ファンドの中で、最も低い信託報酬率の水準になる。インドについては、人口が中国を抜き、欧米の中間地点にある地理的な優位性や英語を使える人口の多さなどから、これからの成長市場としての注目度が高まっている。(図版は、2023年4月ランキングのトップ10)