株式会社ハークスレイ 青木達也代表取締役会長兼社長インタビュー「2030年グループ売上高1000億円を目指す未来戦略」 株式会社ハークスレイ 青木達也代表取締役会長兼社長インタビュー「2030年グループ売上高1000億円を目指す未来戦略」

掲載期間:2025年1月7日~2025年4月7日

 ハークスレイ(7561)は、日本初の持ち帰り弁当の「ほっかほっか亭」を起点に、食品の生産から加工、物流、消費まで食に関わる幅広い領域で事業を拡大する。2028年3月期を最終年度とする中期経営計画では売上高720億円(2024年3月期比54%増)を目標とし、2030年にはグループ売上高1000億円を目指す。
 M&A(企業の合併・買収)で積極的に事業領域を広げ、収益拡大に向けた道筋は整いつつある。2022年には豆菓子製造・販売を行う稲葉ピーナツを傘下に加え、2024年12月にはチルド焼売市場シェア1位のホソヤコーポレーション(千葉県佐倉市)を子会社化した。戦略として掲げる「成長投資による経営基盤の強化」に向けて足場を固めてきている。青木達也代表取締役会長兼社長に2028年3月期中期経営目標とその先にある未来戦略について聞いた。

中期計画から見えるハークスレイが目指す未来戦略

2030年の売上高1000億円の達成に向けた取り組みが進む

 1979年にできたての温かい持ち帰り弁当を日本で初めて提供してから約50年。
 私たちが目指す姿は、「食のインテグレーション企業」として食の生産、加工、物流および消費に関わる一連の活動をプロデュースする企業グループ。事業構造の変革を実施し事業規模を拡大することで、全国の農業、漁業、畜産業の生産者と当社グループが繋がり生産者の事業も安定しかつ生産規模も膨らむことでウィンウィンの関係となる。そのために、新たな価値の創造や新規事業を構想・開発し、未来への種まき、未来への準備を進めている。
 2028年3月期の売上目標は720億円。創立50年の2030年にグループ売上高1000億円を目標に据えて取り組む。今回のホソヤの売上は約70億円。同規模の会社を4社程度グループイン出来れば売上1000億円となる。ホソヤの子会社化以降、多くのM&Aの情報をいただいている。

青木 達也氏

株式会社ハークスレイ
代表取締役会長兼社長
青木 達也

中計では、物流・食品加工事業などに積極投資する計画だ。ターゲットとして狙う分野は?

 中食事業、カミッサリー事業、菓子製造事業など既存事業とのシナジーによる事業基盤の強化や拡充に繋がる分野に加え、新しい領域の分野を想定している。食品製造、冷凍・冷蔵食品製造、菓子製造業などが対象であり、ほっかほっか亭を川下とすれば、より川上の領域に積極投資する。

全ての人の健康と幸せを願い、より豊かな明日を創造し続けることを理念として、事業を展開し、地域社会へ貢献する企業グループ HURXLEY
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物流・食品加工事業は2028年3月期の売上高比率が全体の約42%を占める見通し
既存事業の成長戦略について教えてほしい

 既存事業は、商品力を生かしたリニューアル、新商品の投入などで納入先や消費者などの顧客の増加や、グループインした企業との連携で成長を図る。稲葉ピーナツの定番商品は好評であり、バイヤー評価も高く好調に推移している。谷貝食品も新商品やアニメキャラクターとのコラボレーション商品を発売し、新しい市場を開拓している。カミッサリー事業も人出不足を背景にスーパーマーケットなどからの受託も拡大基調だ。
 製造設備などの更新による生産性向上を目指し、設備投資も中計では58億円を計画している。

2025年3月期第2四半期累計の業績は好調、株主還元も強化

株主還元にも目を配る

 安定的な配当を継続することを基本方針としている。将来に向けた成長投資に利益を配分するとともに、株主の皆さまへの利益還元重視の姿勢をより明確にするため、「一株当たり当期純利益」の伸長に合わせ、現金配当については、前期を下回らない増配を目指す。
 また株主優待制度は、保有株式数300株以上で保有株式数によりクオカードや楽天ポイントを付与させていただいている。

年間配当推移

足元の業績(2025年3月期第2四半期累計の連結営業利益は10.2億円、前年同期比15.3%)も好調だ

 店舗流通ネットを中心とする店舗アセット&ソリューション事業では、稼働店舗数が順調に拡大し、ストック収入が増えたことに加え、テナントの入れ替えによる収入増も出た。物流・食品加工事業はアサヒL&Cの食材の一次加工を行うカミッサリー事業が高稼働で推移し、稲葉ピーナツのクレージーソルトナッツなどの定番商品の販売が好調に推移した。
店舗流通ネットは、過去の新型コロナの感染拡大という逆風が吹く中で店舗を買い増したことが、現在の好業績につながっている。アサヒL&Cは、人手不足を背景とした惣菜の外注化の動きが業績を押し上げている。
 2025年3月期の通期の営業利益予想は24.5億円(前期比0.6%増)と期初予想から変更はしていない。ただ、第2四半期累計での営業利益の進ちょく率は例年よりも高く推移している。
 また、通期の予想値には子会社化したホソヤの業績は含まれていない。

業績ハイライト(主要指標)
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中食事業の強化

ホソヤとのシナジー(相乗)効果も期待できそう

 ホソヤは、全国の食品スーパーに自社製品やPB(=プライベートブランド、自主企画製品)を販売している。チルド焼売以外でも、首都圏1都3県でチルド餃子のシェア1位を誇る。特にチルド焼売は他社で手掛けているところはほとんどなく、業界内での評価は非常に高い。
 ホソヤは関東を中心にチルド焼売を提供しているが、関西などからの引き合いも強い。ただ、チルド製品は遠隔地に運ぶ際に再度低温化する必要がある。一方、ハークスレイの傘下のアサヒL&Cは兵庫県・尼崎に食品製造工場を持つ。ホソヤの子会社化で、チルド焼売を関西で製造し、販売することができるようになる。
 ホソヤの佐倉工場でもアサヒL&Cの唐揚げの生産を目指す。関西、関東の2カ所で製造拠点を持つことで、物流コストも下がる。また、食品の売上増には販売エリアの拡大が欠かせない。製造拠点が増えることにより、量販店からの引き合いも増える。

株式会社ホソヤコーポレーションの株式の取得(子会社化)
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唐揚げに加え、チルド焼売とスーパー向けの「中食」の強化が目立つ

 食品業界の主戦場が中食に移っていることが背景にある。コンビニエンスストアは成長に陰りが見え始め、総合スーパーも役割を終えつつある。食品スーパーなども変革の時期に差し掛かっており、変わるためには中食の中核となる惣菜の刷新とその開発能力が必要になるとみている。アサヒL&Cの唐揚げはほっかほっか亭だけではなく、大手スーパーなどにも多く採用されている。
 惣菜市場は2023年度で約11兆円(前年度比5%増)あり、まだまだ市場を開拓し成長できる余地がある。

ほっかほっか亭での商品展開については

 社員からは焼売弁当などの新メニューの提案が早速出ている。また、大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」への出店を予定しているが、こちらでも新たな取り組みができないかを探っているところだ。

株式会社ハークスレイ

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