中期経営計画推進で成長加速、株主総還元性向は30%以上 中期経営計画推進で成長加速、株主総還元性向は30%以上

掲載期間:2024年2月5日~2024年5月6日

ヒューマンクリエイションホールディングス(HCH)<7361>はコンサルティングからシステム開発、保守、運用まで、一気通貫で事業を展開している。顧客の旺盛なDX(デジタルトランスフォーメーション)需要を取り込み、業績は好調、23年9月期業績は3期連続増収・増益で過去最高の連続更新となった。また、24年9月期からの3ヵ年中期経営計画も発表し、26年9月期には売上高110憶円を発表した。同社の現況と今後の展望について富永邦昭代表取締役社長に、ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也がインタビューした(インタビュー実施日12月5日)。

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朝倉:
まず、御社の事業内容、強みについて教えてください。
富永氏:
当社はITシステム導入におけるコンサルティング、システム開発、保守運用、BPO、アフターサービスなど、それぞれを得意とする6子会社を傘下に持ち、ITサービスをワンストップで提供しています。事業はコンサルティング・受託開発と、ITエンジニア派遣の2本柱で展開しており、高い利益率と稼働率の双方を享受するというビジネスモデルになっています。
P2(当社グループビジネスモデルの特徴)
朝倉:
ワンストップ、一気通貫はいいですね。11月14日に発表された2023年9月期決算は好調でした。素晴らしい。
富永氏:
ありがとうございます。2023年9月期は売上高および各段階利益の全指標で予算を達成して、3期連続の大幅な増収増益になりました。重要戦略として位置付けているコンサルティング・受託開発において既存案件の進捗、新規案件の獲得が順調に進み、主要KPIとしているエンジニアの契約単価、保有人数、稼働率も好調でした。
朝倉:
今回は中期経営計画を初めて公表しました。これは、1年前倒ししたということですか。
富永氏:
そうですね。当社は2021年3月に上場し、当初は3カ年ごとに第1ステージ、第2ステージというかたちで中長期の戦略を描いていました。2024年9月期が第1ステージの最終年になりますが、1年前倒しで第2ステージの準備が十分にできたという認識から、次のステージとして初めて中期経営計画を公表しました。1年前倒しにできた背景には、一気通貫のビジネスモデルの精緻化と、M&Aの積極実施という2戦略が順調に進み、右肩上がりの成長ができていることが一つです。もう一つは、資本構成が事業シナジーのあるストラテジックパートナーに変革できたことです。この二つのことから、1年前倒しで中期計画を公表しました。
P6 (中長期ビジョンを1年前倒し、~)
朝倉:
なるほど。端的にいうと業績は順調で、順調すぎて前倒しした。あとは資本構成もしっかりと将来に向けた体制が整ったということですね。その中期計画では3年後の売上高110億円が目標です。具体的にどう実行していくのでしょうか。
富永氏:
中期経営計画の骨子は3点あり、一つ目はプロジェクト本数の飛躍的な増加です。前期までにプロジェクトを主体的に回していくプロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーの拡充が十分できたので、いわばのれん分けのようなかたちで新たなプロジェクトを開始します。
P8(中経骨子1)
二つ目は経営コンサルティング領域への事業拡大で、そのために23年10月1日付で新たに経営コンサルティング事業準備室を発足しました。ITコンサルティング領域、これはもともと上流工程といわれる工程ですが、そのさらに上の工程、いわゆるIT投資をする、しないという検討よりもう少し手前に当たる、経営課題そのもののコンサルティングである経営コンサルティング領域への事業拡大から、プロジェクト数を大きく伸ばしていきたいと考えています。
※対談後の12月28日に人物検知AIカメラの株式会社TARAの子会社化を発表(2月1日付でグループ傘下入り)。これにより、株式会社TARAの有するデータドリブン経営・経営課題解決コンサルティングに関するノウハウを活用し、経営コンサルティング事業準備室の動きが活発化する予定。
P9(中経骨子2)
三つ目は人的資本への投資加速です。既存社員と、これから新しく社員になってもらう方々も含めて、個人のスキル育成や多様なキャリアパスを用意していくことで、組織全体の成長につなげていこうと思っています。
P10(中経骨子3)
朝倉:
通常の会社では業績拡大と人的資本投資というのはどちらか一つということになりますが、御社はその両方を実現していくということですね。
富永氏:
まず、この3カ年計画において1年目、2年目は主に売上高の成長加速のため、人的資本投資のウエートを高くするつもりです。そして3年目の2026年9月期には、投資のリターンというか、粗利向上を狙う計画を組んでいます。売上高を先行して上げ、同時に人材に対する投資も行い、3年目に粗利率向上から一気に利益拡大を狙う、というシナリオを描いています。
朝倉:
売上拡大から利益率も最終的に上がっていくということでバッチリの戦略ですね。足元の業績が好調で、将来の業績成長についてもしっかりと戦略を立てられていて、株主は安心だなと思います。一方、株主還元は総還元性向30%以上ということですが、株主還元についても教えていただけますか。
富永氏:
これまで配当性向30%がメドと曖昧な言い方をしていました。これに対して、今期の業績予想、中期経営計画では総還元性向30%以上と明言しました。これまでも増配を続けており、この連続増配に関しては今後も維持をします。それに加えて、自己株式等の取得を含めて、きちんと総還元性向30%以上になるようコミットするという意識です。
P12(株主への還元方針)
朝倉:
なるほど。そうすると、親会社株主に帰属する当期純利益のいわゆる30%以上を還元するということになりますから、30%以上のうち配当(今期予想52円)を除いた金額は自己株式取得に充てられるということになるのかと思います。株価の下支えには効果が大きいとみられ、それも総還元性向30%以上を実施することの強い意志と思ってよろしいですね。
富永氏:
総還元性向30%以上と明言したのは、そういった意志の表れとご理解いただけたら幸いです。
朝倉:
業績もさることながら、株主還元を強く打ち出されることがよく分かり、株主は大変喜ぶと思います。株主は株主還元のみならず、キャピタルゲインも期待されていますが、御社の株価はPER8倍、9倍程度で同業他社と比べてちょっと安いのではないかと思います。ただ、業績好調に加えて、自己株式の取得など株主還元やIRにも積極的なので、それが遅かれ早かれ株価にもしっかり反映されていくのではないでしょうか。最後に社長から投資家ならびに株主の方にメッセージをお願いいたします。
富永氏:
事業で好成果を上げるのは当然で、現状ではどう成長し、どう株主還元につなげていくかという、戦略の中身についてまだ皆様にご理解いただけていない状況にあるかと思います。今後はIR関連のこういった機会を増やし、大いに活用することで、皆様のご理解を少しでも深められればと思います。引き続き応援をよろしくお願いいたします。
株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス

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