国内初の会員数100万人突破を達成!「chocoZAP(チョコザップ)」の急成長と今後の戦略 国内初の会員数100万人突破を達成!「chocoZAP(チョコザップ)」の急成長と今後の戦略

掲載期間:2024年1月9日~2024年2月13日

事業開始からわずか1年で会員数が100万人を突破し、フィットネスジム日本一となった「chocoZAP」。運営母体となるRIZAPグループ株式会社の代表取締役社長の瀬戸健氏、また、一橋大学大学院経営管理研究科客員教授にてRIZAPグループの社外取締役でもある藤田勉氏に「chocoZAP」の成功要因と今後の成長戦略について朝倉が話を聞いた。

動画を見る

※株式新聞公式YouTubeチャンネルへ移動します

朝倉:
事業開始からわずか1年での「chocoZAP」会員数日本一、おめでとうございます。
瀬戸氏:
ありがとうございます。去年の7月にスタートいたしました。
朝倉:
それで100万人突破なんて、本当に素晴らしいと思います。瀬戸社長と藤田さんは長い関係ですが、私と瀬戸社長もRIZAPの前身となる「健康コーポレーション」の頃からお付きあいさせていただいておりました。そのあと、誰でも知っている「RIZAP」を始められ、様々な企業の買収、プロ経営者の招聘(しょうへい)など、本当に話題に事欠かないRIZAPグループです。ただ一方では、ここまで来るにはいろいろ苦しい思いもされてきたと思いますが、その今までの経緯も踏まえて、まずはお話をいただきたいと思います。
瀬戸氏:
事業開始後、紆余(うよ)曲折を常に繰り返しながら、RIZAPがその中でスタートして、本当に株主の方にもご迷惑をおかけするというタイミングもありましたが、コロナ禍の中でようやく新しい事業として「chocoZAP」の成長の機会を発見し、やっと株主の皆さま含めて、いい結果がご報告できるのではないかなというところまで来ております。
朝倉:
コロナ禍とおっしゃいましたけれども、コロナ禍の中でアイデアが出てきたのでしょうか。
瀬戸氏:
それと同時ではございます。RIZAPのメソッド、どうしたら三日坊主が防げるか、どうやったら効果的、効率的にトレーニングができるか、どんどんデータがたまってきました。しかしながら、コロナ禍の中で、物理的制約条件があり、マンツーマンで場所も限られており、時間も限られました。フィットネスジムというのが集団感染になっているという報道があって、休業も余儀なくされましたし、対面型というのが非常に厳しくなっていました。
そういった中で、デジタルを活用して、非対面の中で新しいサービスというのが、まさにこのタイミングでできるのではないかということで、いろいろなテストを繰り返しまして、やっと去年の7月にお披露目ができたというところです。
瀬戸 健氏

RIZAPグループ株式会社
代表取締役社長
瀬戸 健

朝倉:
視聴者の方には動画を見ていただきたいと思うのですけれども、瀬戸社長と藤田さんと一緒に「東京スカイツリー駅前店」にお伺いしてきました。本当にすごくきれいで、機能もたくさんあり、サービスも満載、あれならけっこう続ける人が多いのではないか。意外と一人でジムって、続かない人もいるじゃないですか。
瀬戸氏:
ありがとうございます。
朝倉:
お伺いして感じたのは、非常にサービスのボリュームも質も高いと私は思いましたし、いろいろなものが無料で使えるというのは本当にうれしいですね。それでは改めて、「chocoZAP」の成功要因について、ぜひお聞きしたいと思います。
集合写真
瀬戸氏:
そうですね、日本のフィットネス参加率は主要先進国の中でダントツ最下位であり、約3.3%です。アメリカや欧米は20%を超えているという中で、やはり初心者の方々が気軽にスタートいただいたということは、非常にそこはよいスタートが切れたのではないかと思っています。
朝倉:
裾野が広がるという感じですね。
瀬戸氏:
そうですね。ご利用いただいているほとんどの方が運動未経験者であったり初心者の方々が中心なので、そういった方々が日常の生活の延長線上で、靴も履き替えることなく、服も着替えることなく、本当に隙間時間をご利用いただいて、無理なくご利用いただくというところがすごく合っていると思っています。
朝倉:
今までのフィットネスジムの考え方を変える試みだと思いました。私は、違うジムを今使っていて、やっぱりどうしても筋肉隆々の人ばっかりで、本当にフィットネスだけをやるという感じなのですけれども、地方でもちょっと調べて入ることができたりするわけじゃないですか。ですから、フィットネスだけじゃない利用の方法もあるのだなと。
瀬戸氏:
そうですね。本当に今は簡単で便利で、コンビニのように24時間開いていて、身近にあって、そして楽しい。いろいろなものがそろっている。運動とか、自分磨きとか、自己投資が特別な存在ではなくて、ある意味そういったものが民主化されていく。身近にある生活というところ、そういった新しい毎日の提案ができたならと思っています。
朝倉:
素晴らしいですね。3.3%がどんどん増えていくということ。本当に皆さんの健康のためということですよね。生活の満足感が上がるということですからね。
それでは、藤田さんにもお伺いしたいのですが、藤田さんは私もよく存じ上げて、尊敬するファンドマネージャーでもあり、日本株だけではなく、アメリカのことも詳しく、マクロ、ミクロとして素晴らしいストラテジストですよね。2006年から2010年には日経アナリストランキング5年連続1位です。なかなかいらっしゃらないですよね、5年連続1位というのは。今は一橋大学大学院でも教鞭をふるっていらっしゃり、伊藤忠商事とドリームインキュベータでも社外取締役を務められていらっしゃいます。藤田さんと瀬戸さんとの付き合いは長いのですが、藤田さんから見て、瀬戸社長の人物像、やRIZAPグループの状況を含めて、どのように見られているのか、ぜひ教えていただきたいと思います。
藤田氏:
私自身はずっとファンドマネージャー、ストラテジストの仕事をずっと長くやってきたので、いろいろな経営者に会うということが仕事の大きな役割だったのです。たぶん今まで上場企業の社長は何百人と会ってきたと思いますが、今は3社、社外取締役を務めています。どの会社も素晴らしい経営者ですけれども、やはり瀬戸さんの素晴らしさというのは一言でいうと、「ザ・事業家」ですね。事業が本当に好きというのがあります。
もうひとつは大きなピンチを何回も経験しているので、今回は本当にそれが生きているのではないかという感じです。ピンチといいますと、豆乳クッキー事業では最初はうまくいったのですが、非常に厳しい状況があり、株価も急落しました。2回目のピンチは、M&Aを非常に繰り返したところに、経営で外部の大物経営者に何人も入ってもらった。瀬戸さんのDNA、企業のDNAが染み込んでいるところに、外部の経営者が入ってくると、なかなかプロの経営者といっても難しく、経営の混乱が起きたことも事実だと思うのですね。私は2回目の危機のときにいろいろお手伝いをさせていただきましたが、瀬戸さんは修羅場を経験していても、全然めげない。修羅場が終わったら、事業にぐんと向かって、コロナが終わったらアクセルを踏む。
人間だからどうしても浮き沈みがありますが、瀬戸社長の場合、この浮き沈みの幅が非常に大きくても、この沈んだところでめげない。私だったらノイローゼになるかっていうときも、めげずにアクセルを踏める。これが強みで、2回の修羅場をくぐった上で、アクセルを踏んでいるので、これまでのRIZAPのボディメイク事業や、クッキー事業の時とは違い、そのレッスンが効いていると思っております。
朝倉:
やっぱり修羅場は大事ですね。経験して、それでどんどん大きくなっていくという感じですものね。アクセルを踏む一方では、リスクや懸念点も当然あると思います。そのあたりはどう見られていますか。
藤田氏:
もちろんアクセルを踏むということは非常に大事なことなのですけれども、同時にちゃんとハンドルを握っているのか、会社のハンドルは操作できているのかということ、ブレーキをちゃんと踏めるかという点は大事で、そこは社外取締役というのは一定の意味があると思うのです。取締役会におきまして、私はこの「chocoZAP」事業を始めるところから、最初から徹底して質問したのは、同業他社が入ってきたらどうするのか、ライバルがまったく同じことをやって参入してきたときに、勝てるのかという質問を取締役会で何回もしました。そのときの社長の答えは、ぜひ社長の方から。
藤田 勉氏

一橋大学大学院経営管理研究科 客員教授
RIZAPグループ株式会社 社外取締役
藤田 勉

朝倉:
同業他社が入ってきた場合、どうするのでしょうか。
瀬戸氏:
そうですね、ファイブフォースとかいろいろな経営分析の手法とかあると思うのですが、やはり何に強みがあるかというところとかを一つ一つ押さえていかなくてはいけないと思っております。そうしたときに、われわれ最大の強みとして「規模の経済」というのが働きます。やはり顧客基盤というところで、今はすでに1,000店舗、100万人を達成する中で、一つの商品の仕入れや、サービスを提供する価格は、当初に比べても激減しております。これから先もさらにこれらが減少していくので、もし完全にコモディティ化しているとしても、最終的には提供する売り上げに対して引くコストになりますので、やはりコスト競争力を生み出すためにかかるコスト、それを最少化するようなベースや手段があるのかどうかということだと思います。今も、これからも突き詰めており、10店舗、100店舗でできないこと、それを1,000店舗ベースで入れていくことで、やはり通常の会社ではできないようなコスト競争力というのが出てきたりします。
そこに対してのさらなる付加価値は、私たちが今まで培ってきた、安いだけではない、体験価値とかをお伝えできるような、CMやホームページからのプロモーションです。そういった安いだけということではなくて、やってみたいと思ってもらえるか、さらにご利用いただいているかどうかというのを、過去からずっと経営分析で繰り返してきましたので、それらを含めて一連の流れを作っています。
朝倉:
「量質転化」といいますから、量が質を決めるということで、量が増えれば増えるほど当然サービスも良くしていかなくてはならず、会員数が100万人もあればいろいろなデータベースがあり、サービスの展開もできていきますので、まさにこれが差別化ですよね。
瀬戸氏:
そうですね。やはり初めは試行錯誤を繰り返してきますけれども、やはりサービスや品質、そういったものは学習しながら向上していくということになっていくので、まさにいろいろなかたちでデータを見ながら、一歩一歩進化させようと努力しているところです。
朝倉:
まあ、今はある意味、投資の時期であり、店舗も広げ、急成長しているタイミングです。一方で、リスク、懸念点として、足元の財務面ではどうなのかという、株主目線からしたらそのあたりはいかがですか。
朝倉 智也

ウエルスアドバイザー株式会社
代表取締役社長
朝倉 智也

瀬戸氏:
今期までが一番ボトムというところで、開示している通りとなりますが、やはりサブスクリプションモデルですから、コストが先行して売り上げが後から付いてくることとなります。RIZAPの場合とかは3カ月など、先行的に売り上げが立つということですが、やはり収益の安定度としては、不安定になりやすいということになるのです。
しかしながら、「chocoZAP」のように継続的にご利用いただき、健康面などで長いお付き合いになってくるものは、一気に売り上げが立つわけではないですが、安定して成長していくというところがあり、そういった意味では初めが大変ではありますが、今後徐々に会員数が伸びている中、コストはある程度一定で推移していますから、それは逆転するタイミングというのが訪れてくるというのがあります。
朝倉:
「chocoZAP」に通う層がシンプルなフィットネスだけじゃなくて、いろいろなニーズの人が集まってくる。裾野を広げていただいており、料金面もサービスも続けやすく、通いやすい。あとはデータベースを駆使していろいろなことも考えられていると思いますので、そこにさらなる「成長戦略」をお聞きしたいのですがいかがでしょうか。
瀬戸氏:
そうですね。「chocoZAP」は、エントリーの方、初心者の方、ビギナーの方を対象にしております。今まではマーケットでもレッドオーシャンといわれている、こだわりをお持ちになって、熟練されている方の中に参入していくというのはそこのマーケットの奪い合いにもなりますし、なかなかわれわれとしてもそこまでのノウハウはありません。
ただ、2,980円で追加料金なしで、新しい毎日の提案や自分磨きの提案として、例えばネイルとかに興味があったけれども、毎回料金、お金がかかってしまうとか、ホワイトニングも興味があるけれどもお金がかかってしまう。そういった方々にご利用いただくのはもちろんですし、初心者の方々、未経験者の方々、そういった方々が新しい毎日の過ごし方としてご利用いただきたいと思っております。
そのようなかたちで、直接運動から始めるのではなくて、違うことをきっかけとしてご提供差し上げて、結果として運動を隙間時間にやってみようかなと思っていただけるように、新しい運動習慣のかたちということを提供していきたいという想いはすごく強くあります。
朝倉:
いいですね。新しい運動習慣を提供するというメッセージ。ますます広がって期待感を持つことができます。株主や投資家からしても、期待感が非常に高いと思いますし、先ほど財務面とリスクの面もしっかりと把握されているし、やっぱり修羅場を何度も経験されているというのは大きいのでしょうね。瀬戸社長も藤田取締役もぜひ頑張っていただきたいと思いますが、この動画を見られている方も非常に多いと思いますので、最後にお二人からメッセージをお願いしたいと思います。まずは藤田さんからお願いいたします。
藤田氏:
私は社外取締役でありまして、先ほど申し上げましたように二つの大きな危機がこの会社にあったと思うのですけれども、二つ目の危機のところに私は社外取締役として入ったわけであります。
そのときに強く感じたことは、やはり経営チームと社外取締役、これがちゃんとコミュニケーションがうまくできるというのが必要だったのですが、当時それが難しかったのですね。今はそれが大変よくなってまいりました。社内の経営チームも非常に安定しているのです。しっかりして、安定して、中のコミュニケーションもできている。
社外取締役は数が多いのです。ピュアな社外取締役といえる人たちは5人いるわけでありまして、弁護士の方もおられたり、いろいろ専門の方がおられたり、立派な経営者の方、上場企業の社長の方もおられたりするわけで、そういった社外の取締役の方が社内の取締役よりも多いということなので、取締役会全体のガバナンスというのは非常によくなってきたというふうに思っています。
単に社外取締役が多いだけでは意味がありませんから、そういった面で私も先頭に立ってリスク要因をいろいろチェックする。もちろん社長には思い切りアクセルを踏んでいただきたいのですが、やっぱりフェラーリがなぜいいか。これはアクセルも素晴らしい、エンジンも素晴らしいのですが、同時に素晴らしいブレーキがあるからです。だからフェラーリというのは素晴らしいということです。
われわれもこの素晴らしいフェラーリを目指して、社長がいいアクセル、エンジンであられるので、同時に私ども社外取締役はきちっと監視ができるという体制にして、リスクをチェックしてまいりたいというふうに思っております。
朝倉:
素晴らしいですね。藤田さんが入られてよかったですね。
瀬戸氏:
本当に愛情いっぱいです。ご指摘がいろいろな角度からいっぱい飛んできますので。
朝倉:
このような対談で、社外の役員の方が入られたということは一度もないです。だから良かったと思います。視聴者の方も、本当に素晴らしい社外取締役がいるのだと安心する。藤田さんはブレーキをガンガン踏んでください。アクセルも大事ですけれども。ぜひ最後に瀬戸社長から投資家にメッセージをお願いいたします。
瀬戸氏:
ありがとうございます。今日の藤田さんも朝倉さんもそうですけれども、本当にたくさんの方に応援いただいたりしながら、私自身が進んでいく中で、社外での皆さんはじめブレーキと的確なご指摘とけん制というかたちで、日々成長させてもらっております。
やっとそういった中で新しい事業に挑戦させてもらって、投資家の皆さまにおきましても、今、上半期、投資というかたちで赤字としては計上させてもらいましたが、やっとわれわれの投資が実っていく段階が見えつつあるということではございますので、ぜひこれから、今はまだスタートラインに立ったところだと思っておりますので、応援して良かったと言ってもらえるようにこれからも、これからスタートというかたちで頑張ってまいりますので、ぜひ引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
朝倉:
RIZAPグループ、非常に楽しみです。ますますの成長と飛躍を期待しています。本日はどうもありがとうございました。
瀬戸氏:
ありがとうございました。
藤田氏:
ありがとうございました。
集合写真
RIZAPグループ株式会社

この資料は投資判断の参考としてウエルスアドバイザーが情報提供しております。ウエルスアドバイザーのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はウエルスアドバイザー株式会社に帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

広告企画・制作=ウエルスアドバイザー株式会社

Copyright© Wealth Advisor Co., Ltd. All Rights Reserved.